理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
30 巻 , 1 号
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原著
  • 福永 裕也, 齋藤 圭介, 原田 和宏, 袴田 将弘, 香川 幸次郎
    2015 年 30 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/18
    ジャーナル フリー
    〔目的〕行動観察に基づく移動能力指標の認知症高齢者への応用可能性を検討すること.〔対象〕病院1ヶ所入院中の全認知症高齢者51名.〔方法〕Physical performance and mobility examination(PPME),hierarchical assessment of balance and mobility(HABAM),rivermead mobility index(RMI)を選定し,信頼性と構成概念妥当性を検討した.〔結果〕3指標とも,級内相関係数が検者間信頼性0.8以上,再現性0.9以上を示し,臨床症状との間に有意な相関関係を示した.主成分分析ではPPMEとHABAMのみ1因子に収束した.〔結語〕3指標とも高い信頼性から,認知症者への応用可能性が示唆される.
  • 芝﨑 伸彦, 今井 哲也, 高木 恭平, 中畑 美咲, 沼山 貴也, 望月 久
    2015 年 30 巻 1 号 p. 7-10
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/18
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本稿では一般成人と理学療法士の咳嗽介助効果を比較した.〔対象〕事務職員7名(非PT群)と理学療法士7名(PT群)を咳嗽介助者とし,健常者2名を被咳嗽介助者とした.〔方法〕咳嗽介助者に咳嗽指導を実施後,咳嗽介助なし,腹帯着用,腹帯着用および徒手胸郭圧迫(圧迫)の3条件下で咳嗽を行い,咳嗽時の最大呼気流速(PCF)と咳嗽介助時の被介助感を測定した.〔結果〕被咳嗽介助者2名のPCFは,圧迫と他2条件との間に有意差を認めた.圧迫のPCFは非PT群とPT群の間で有意差を認めなかった.被介助感はPT群が有意に心地よいという結果だった.〔結語〕一般成人も理学療法士と同程度にPCFを増加させることが確認された.この結果は患者の家族や介護者も,適切な指導で有効な咳嗽介助が可能になることを示唆している.
  • 岩瀬 洋樹, 菅沼 一男, 高田 治実, 丸山 仁司, 齋藤 孝義
    2015 年 30 巻 1 号 p. 11-14
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/18
    ジャーナル フリー
    〔目的〕理学療法養成校の平常時と定期テスト前の主観的ストレスと心理変化を明らかにすることとした.〔対象〕4年制理学療法士養成大学に在籍する1-3年生のうち,平常時で237名,定期テスト前で236名とした.〔方法〕VASにて,心理変化はPOMSにて平常時および定期テスト前に1回ずつ評価し.〔結果〕VASは1-3年生のすべてに平常時とテスト前の間において有意差が認められた.POMSは1年生では「緊張」に,2年生では「緊張」,「抑うつ」,「疲労」,「混乱」,「活気」に,3年生では「緊張」,「抑うつ」,「疲労」,「混乱」に有意差がみられた.〔結語〕定期テストはストレスなどを感じやすいイベントであるが,学年間ではその内容に差があるものとなった.
  • 上野 勝也, 久保 あずさ, 宮地 諒, 山崎 俊明
    2015 年 30 巻 1 号 p. 15-20
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/18
    ジャーナル フリー
    〔目的〕ラットヒラメ筋の廃用性萎縮進行中に間歇的伸張運動を実施し,筋線維タイプ別の筋萎縮抑制効果を長軸部位の視点から検討することを目的とした.〔対象〕Wistar系雄ラットヒラメ筋を対象とした.〔方法〕ラットに対し通常飼育するCON群,廃用性筋萎縮を惹起するHS群,実験期間中,間歇的伸張運動を行うST群の3群を設定.実験期間終了後,対象筋の近位部・中央部・遠位部で切片を作成し,HE染色を行い,ATPase染色を実施し,最後に筋線維横断面積を測定した.〔結果〕,筋線維横断面積はタイプI・II線維とも全ての部位でHS群と比較し有意に高くST群の,中央部,遠位部,近位部の順に高値であった.〔結語〕タイプI・II線維ともに筋萎縮抑制効果がみられ,筋の長軸部位別にその効果が異なることが示唆される.
  • 佐々木 健史, 長峯 隆, 小塚 直樹, 松山 清治
    2015 年 30 巻 1 号 p. 21-27
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/18
    ジャーナル フリー
    〔目的〕傾斜外乱時におけるラットの動的姿勢調節の特徴抽出を目的とした.〔対象〕成ラット5匹.〔方法〕小動物用重心動揺計を用いて,ラットを側方および前後方向へ異なる傾斜速度で30°までの傾斜外乱を与えた際の重心移動の測定と姿勢変化の動画記録を行った.〔結果〕側方傾斜では傾斜速度10°/secまでの増加に追随して動的な姿勢変化とそれに伴う特徴的重心移動がみられた.一方,前後方向傾斜では傾斜角度の増加に伴う重心移動はみられたが,顕著な姿勢変化は示さなかった.〔結語〕側方傾斜では動的姿勢調節による姿勢の補正がなされるが,前後方向傾斜では顕著な姿勢変化を示さず姿勢の安定化が図られているものと示唆された.
  • 佐藤 陽一, 池澤 里香, 吉田 祐文
    2015 年 30 巻 1 号 p. 29-32
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/18
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究は大腿骨近位部骨折の術後痛に,認知・精神的因子および栄養状態が及ぼす影響について明らかにすることを目的とした.〔対象〕大腿骨近位部骨折にて入院し,手術を施行した50例とした.〔方法〕術後3週目の認知・精神機能,栄養状態を評価し,同時期における術後痛への関連性を検討した.〔結果〕術後痛のVASとNLS-s,反芻,無力感,MNA-SF,TPに相関関係が認められた.また,術後痛を従属変数とした重回帰分析では反芻,MNA-SF,NLS-s,無力感が独立変数として抽出された.〔結語〕術後痛に対して,認知・精神的因子および栄養状態が影響を与える可能性が示唆された.
  • 林 隆司, 坪井 章雄, 新井 光男, 山本 竜也, 目黒 篤, 丸山 仁司
    2015 年 30 巻 1 号 p. 33-39
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/18
    ジャーナル フリー
    〔目的〕施設版FIM(geriatric functional independence measure:G-FIM)を作成し,その実用性を検討することとした.リハビリテーション職と介護職からのアンケート調査を元に行った.〔対象〕老健施設に所属するリハビリテーション職14名と介護職16名とした.〔方法〕両職業において,G-FIMとFIMとの間で,時間の早さ・使いやすさ・理解しやすさ・適切さの4項目の評価得点を比較した.〔結果〕リハビリテーション職ではFIMとG-FIMの間に有意な違いは見られなかったが,介護職では全ての項目でG-FIMの方が有意に高い得点を示した.〔結語〕G-FIMは介護職に対しては施設における利用者のADL評価を実施するうえで実用性をもつ評価尺度であることが示唆される.
  • 長田 悠路, 渕 雅子
    2015 年 30 巻 1 号 p. 41-45
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/18
    ジャーナル フリー
    〔目的〕片麻痺患者が歩き始める足の選択によって生じる運動学的・運動力学的違いを,動的安定性と効率性の視点から分析すること.〔対象〕片麻痺患者15名とした.〔方法〕非麻痺側から歩き始めと麻痺側から歩き始めを三次元動作解析装置で計測し,各動作間の推定質量中心位置などを対応のあるt検定にて比較し,圧中心移動量と質量中心前方速度の相関係数をピアソンの相関係数にて分析した.〔結果〕先行肢を非麻痺側とする方が麻痺側を先行肢とした際と比べ,推定質量中心位置の左右移動が有意に小さく,前後移動は支持基底面を超えるほど有意に大きく,圧中心の後方移動量と質量中心前方速度の相関係数が有意に大きかった.〔結語〕非麻痺側を先行肢とする歩行は前方向に不安定だが,効率的に質量中心が前方に移動することがわかった.
  • 池田 崇, 長澤 弘, 山下 哲也, 堀内 裕一郎, 内田 貴久, 野村 千尋, 久合田 浩幸, 磯和 祐喜子, 石田 邦子
    2015 年 30 巻 1 号 p. 47-52
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/18
    ジャーナル フリー
    〔目的〕介護老人保健施設(老健)の入所者の消費エネルギー量と摂取エネルギー量の出納を算出し,自宅復帰か施設入所かの転帰に及ぼす影響について明らかにすること.〔方法〕対象は老健入所者121例.転帰をもとに自宅復帰群58例と施設・入院群63例の2群に分類し比較した.入所から1ヵ月の時点で,消費エネルギー量を24時間行動表とMETsから算出し,食事誘導性熱産生を加えて総消費量を求めた.また,摂取エネルギー量との差からエネルギー出納を算出した.さらに利用者背景,入所時FIMの評価を実施した.〔結果〕エネルギー出納は自宅復帰群で有意に高値であった.年齢,要介護度区分および入所時FIMには差は認められなかった.〔結語〕総消費エネルギー量を算出し,エネルギー出納をプラスバランスに維持する事で自宅復帰に寄与することが示唆された.
  • 岡本 伸弘, 増見 伸, 水谷 雅年, 齋藤 圭介, 原田 和宏
    2015 年 30 巻 1 号 p. 53-56
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/18
    ジャーナル フリー
    〔目的〕大腿骨頸部骨折患者の歩行獲得と入院時栄養状態との関連性について検討することが目的である.〔方法〕対象は266名であり,平均年齢は85.2歳であった.歩行獲得に関連する要因を検討するために,ロジスティック回帰分析を用いた.従属変数は歩行獲得とし,説明変数は,認知症,脳卒中の既往,年齢,受傷前歩行能力,術式,骨折型を措定すると共に,栄養状態に関する変数を投入した.〔結果〕入院時Alb値(オッズ比5.18,95%信頼区間2.17-12.33)は歩行獲得を説明する有意な変数として採択された.〔結論〕大腿骨頸部骨折患者の歩行獲得を進めていく上で,栄養状態に留意しなければならないことが示された.
  • 松﨑 秀隆, 原口 健三, 吉村 美香, 森田 正治, 満留 昭久
    2015 年 30 巻 1 号 p. 57-61
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/18
    ジャーナル フリー
    〔目的〕実習教育の現状を把握するために,臨床実習における不当待遇の有無を調査した.〔対象〕実習を経験した最終学年に在籍する全学科の学生159名.〔方法〕実習終了直後に,自記式の質問用紙を用いて調査を行った.内容は,「言葉による不当な待遇」,「身体へおよぶ不当な待遇」,「学業に関する不当な待遇」,「セクシャルハラスメント」,「性差別の経験」および「他科または他職種との関係」の領域である.〔結果〕全学科において不当待遇が認められ,その割合は理学療法学科59.7%,作業療法学科53.3%,言語聴覚学科61.5%,看護学科88.8%,視機能療法学科35.0%であった.〔結語〕本邦での,実習における医療系学生に対する不当待遇調査は殆どない.今後も実習教育方法の構築に向けた継続研究に努めていきたい.
  • 原 幹周, 吉田 英樹, 片石 悠介, 谷脇 雄次, 花田 真澄, 前田 貴哉, 照井 駿明
    2015 年 30 巻 1 号 p. 63-68
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/18
    ジャーナル フリー
    〔目的〕生理学的指標に基づいたTENSの疼痛軽減効果の検討に加えて,TENSの刺激強度の違いによる疼痛軽減効果への影響を明らかにする.〔対象〕健常者16人とした.〔方法〕人為的な疼痛に対して周波数100 Hzでの高強度(運動域値以上)TENSと低強度(感覚閾値レベル)TENS,およびTENSを一切実施しない条件(コントロール)を実施した.各条件間での疼痛軽減効果を主観的指標であるNRSと,生理学的指標である前頭前皮質の脳血流量および自律神経活動を用いて各条件間を比較した.〔結果〕交感神経活動には明らかな違いが認められなかったが,NRSと前頭前皮質の脳血流量の結果では高強度TENSの疼痛軽減効果が最も高かった.〔結語〕高強度TENSが,主観的にも生理学的にも優れた疼痛軽減効果を示した.
  • 佐藤 洋平, 大橋 ゆかり
    2015 年 30 巻 1 号 p. 69-73
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/18
    ジャーナル フリー
    〔目的〕新しい技能獲得の練習終了時の技能レベルと長期的な技能保持レベルの関係を調べることとした.〔対象〕健常若年成人14名を対象とした.〔方法〕第三者の筆跡を真似ることを課題とした.練習では基準となる筆跡とのズレの許容範囲を設け,一定の基準を満たすまで練習を行った.その後に実施される保持テスト,転移テストの評価得点を技能獲得レベルの高さで2群間で比較した.〔結果〕より高い技能レベルに至るまで練習を継続した群の方が良好な長期的技能保持と学習の転移が良好であった.〔結語〕練習終了時の技能レベルが高ければその後の長期的な技能レベルの維持と学習の転移が良好であるという関係が示唆される.
  • 世古 俊明, 隈元 庸夫, 高橋 由依, 金子 諒介, 田中 昌史, 信太 雅洋, 伊藤 俊一
    2015 年 30 巻 1 号 p. 75-79
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/18
    ジャーナル フリー
    〔目的〕徒手筋力計(HHD)を用いた座位での股伸展筋力測定法の有用性を検証することとした.〔対象〕対象は健常成人男性20名とした.〔方法〕課題動作の等尺性股伸展運動を座位,立位,腹臥位で実施した.HHDにて筋力値を,表面筋電計にて股伸展筋と体幹筋の筋活動量を計測した.測定法の信頼性,肢位間での筋力値と筋活動量の差,および相関について検討した.〔結果〕信頼性は座位で,筋力値は立位で,次いで座位で他の肢位より有意に高かった.大殿筋活動量は座位と立位で有意な差がなかった.筋力値と大殿筋活動量のいずれも座位と腹臥位間で高い相関を示した.〔結語〕座位での測定法は信頼性が高く,腹臥位での測定値との関連性を有するが,筋力値は座位と腹臥位で異なることに留意する必要がある.
  • 木下 拓朗, 佐藤 孝平, 三川 浩太郎, 與座 嘉康
    2015 年 30 巻 1 号 p. 81-84
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/18
    ジャーナル フリー
    〔目的〕20 mSRTのプロトコルを用いた15mSRTの再現性を検討すること.〔対象〕若年健常者25名.〔方法〕15 mSRTを2週間以内に3回(Test 1,Test 2,Test 3)実施した.15mSRTの再現性をICCおよびBland-Altman分析を用いて検討した.また,予測酸素摂取量の平均誤差を反復測定分散分析にて検討した.〔結果〕15 mSRTにおける移動距離のICCは,0.96~0.97であり,Bland-Altman分析においてはTest 1 vs Test 2,Test 1 vs Test 3にてわずかな加算誤差が認められたものの,その他に系統誤差は認められなかった.〔結語〕本研究より若年健常者において,15 mSRTの全身持久力評価における再現性は高いことが示唆された.
  • 倉 彩, 佐々木 賢太郎, 木村 剛, 神戸 晃男, 影近 謙治
    2015 年 30 巻 1 号 p. 85-89
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/18
    ジャーナル フリー
    〔目的〕目的は,前十字靱帯再建の既往を持つ女性の降段動作における下肢の運動学的特性を明らかにすることである.〔対象〕前十字靭帯再建の既往を持つ女性11名14膝,対照群として健常膝女性13名13膝とした.〔方法〕三次元動作解析装置を用い,再建側の支持期における股・膝・足関節それぞれの3軸角度を計測した.また,安静立位時の同関節の角度についても計測した.〔結果〕ACL群は対照群と比較し,支持脚の股関節の最大内旋ROM(降段動作時の角度-両脚立位時の角度)において有意に大きい結果となった.〔結語〕前十字靭帯再建者は,降段動作において股関節内旋により膝関節に及ぶ負担の増大を回避している可能性が示唆される.
  • 有末 伊織, 中本 舞, 竹内 貴文, 松本 強, 田中 直次郎, 岡本 隆嗣
    2015 年 30 巻 1 号 p. 91-94
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/18
    ジャーナル フリー
    〔目的〕ハンドヘルドダイナモメーターを用いた等尺性股関節伸展筋力の新たな徒手固定法の,検者内および検者間信頼性を検証することとした.〔対象〕被験者は健常成人男女各10名とし,検者は男女各1名とした.〔方法〕新たな徒手固定法は,検者のHHDを持った側の肘を治療台につくこととした.2名の検者と2つの固定方法(徒手とベルト)の組み合わせから無作為に選択して,測定を行った.検者内および検者間信頼性を検証するために級内相関係数を求めた.〔結果〕2つの固定方法の検者内および検者間信頼性は良好な値となった.〔結語〕等尺性股関節伸展筋力の新たな徒手固定法は,検者や被験者の性別に依らず高い信頼性が得られた.
  • 吉澤 隆志, 平山 須弥朗
    2015 年 30 巻 1 号 p. 95-98
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/18
    ジャーナル フリー
    〔目的〕女性における,固定ベルト不使用下で測定した膝屈伸筋力について検討することを目的とした.〔対象〕下肢に疾患の既往のない健常成人女性17名とした.〔方法〕Hand Held Dynamometerを用いて,徒手筋力検査法に準じた姿勢と基本姿勢(座位および股・膝関節90°屈曲位)にて左右の膝屈伸筋力を測定した.膝屈伸筋力の級内相関係数を算出すると共に,姿勢間で対応のあるt検定を用いて比較した.〔結果〕級内相関係数は,徒手筋力検査法に準じた姿勢および基本姿勢の両方において0.7以上であった.膝屈伸筋力の姿勢間の違いとしては,左右共に基本姿勢の方が有意に大きかった.〔結語〕Hand Held Dynamometerにより,膝屈伸筋力を簡便かつ容易に測定することができる.
  • 竹内 弥彦
    2015 年 30 巻 1 号 p. 99-103
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/18
    ジャーナル フリー
    〔目的〕静止立位における身体各体節の重心動揺と足圧中心動揺との関連性を相互相関関数により解析し,高齢者の静止立位制御の特性について検討した.〔対象〕地域在住の健常高齢者20名とした.〔方法〕3次元動作解析装置を用いて静止立位中の頭部,胸郭部,骨盤部の重心位置を算出し,床反力計を用いて足圧中心を計測した.相互相関関数を用いて各体節の重心動揺と足圧中心動揺の関連性を解析した.〔結果〕左右方向の動揺において全身重心に比較して頭部重心と足圧中心との相関関数のピーク値が有意に低値を示した.方向間での比較では前後方向に比して左右方向の相関関数のピーク値が有意に低値を示した.〔結語〕高齢者の静止立位制御において,左右方向の頭部重心の動揺は足圧中心動揺への貢献度が低く,他の体節重心とは独立した動揺制御を受けている可能性がある.
  • 石井 由起子, 小川 浩紀, 村上 忠洋, 山内 啓
    2015 年 30 巻 1 号 p. 105-108
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/18
    ジャーナル フリー
    〔目的〕脳卒中片麻痺者における下肢の感覚障害が,歩行速度に及ぼす影響について検討することである.〔対象〕下肢の運動麻痺が軽度な初発の脳卒中片麻痺者22名を対象とした.〔方法〕下肢の感覚障害は位置覚検査および触覚検査によって評価し,それぞれ正常,軽度,中等度,重度の4段階に分類した.位置覚検査および触覚検査の結果それぞれと最大歩行速度との関連を検討するために,Spearmanの順位相関係数を求めた.〔結果〕位置覚検査および触覚検査それぞれの結果と最大歩行速度との間に有意な相関は認められなかった.〔結語〕下肢の位置覚障害および触覚障害は歩行速度に影響を及ぼしているとはいえない.
  • 山﨑 博喜, 加藤 浩, 村上 拓郎, 大﨑 万唯美, 冨田 愁
    2015 年 30 巻 1 号 p. 109-114
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/18
    ジャーナル フリー
    〔目的〕高齢者に対して2種類の腹筋運動を実施した後に端座位側方移動動作を行わせ,その影響を分析し,両腹筋運動の臨床的意義について検討することである.〔方法〕健常高齢者17名に対し,腹筋運動前後に端座位側方移動動作時の座圧中心軌跡,および体幹・下肢筋活動を測定した.〔結果〕座圧中心総軌跡長が腹筋運動後に減少した群を良好群,増加した群を不良群と群分けした結果,不良群では外内腹斜筋の活動比率(EO/IO比率)が100%に近づき,増加した群では100%から乖離した.〔結語〕腹筋運動の研究では筋活動量が着目されているが,端座位側方移動動作においては筋活動量や腹筋運動方法よりも,EO/IO比率が重要であることが示唆される.
  • 久保 晃, 倉本A 亜美, 小林 薫, 黒澤 和生, 丸山 仁司
    2015 年 30 巻 1 号 p. 115-117
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/18
    ジャーナル フリー
    〔目的〕学部3および4年末の期間における学習と生活満足度変化が国家試験成績におよぼす影響を男女別に明らかにすることとした.〔対象〕平成25年3月に国際医療福祉大学理学療法学科を卒業し,調査に協力の得られた98名(男性59名,女性39名)とした.〔方法〕3学年末と国家試験1ヵ月前にVisual Analogue Scaleで評価される満足度を満足度向上群と低下群の間で比較した.〔結果〕男性では,生活満足度の値が期間内に低下し,生活満足度低下群では向上群に比べ国家試験成績が有意に低かった.〔結語〕男性に対しては生活面満足度が低下することを考慮して対策をとることが必要である.
  • 有末 伊織, 田中 直次郎, 藤井 靖晃, 藤高 祐太, 中本 舞, 松本 強, 丸田 佳克, 福江 亮, 松下 信郎, 山岡 まこと, 橋 ...
    2015 年 30 巻 1 号 p. 119-123
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/18
    ジャーナル フリー
    〔目的〕回復期脳血管障害患者に対して,Honda歩行アシスト(以下,アシスト)を用いた歩行練習の影響を,研究開始の初日の歩行速度の違いに着目して検討することとした.〔対象〕回復期病棟に入院した初発脳血管障害患者16名とした.〔方法〕研究の実施期間は,アシスト開始前の1週間,開始から終了までの2週間,終了後の1週間の計4週間とした.研究開始の初日の歩行速度が60 m/min以上をfast群,60 m/min未満をslow群として分類した.〔結果〕歩行速度や歩幅の増加は,fast群ではみられず,slow群でみられた.〔結語〕回復期脳血管障害患者に対するアシスト歩行練習は,介入前の歩行速度によって影響が異なり,slow群の方に用いた方が歩行速度や歩幅を増加させる傾向がみられた.
  • 三浦 雅文, 多田 真和, 小林 たつ子
    2015 年 30 巻 1 号 p. 125-129
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/18
    ジャーナル フリー
    〔目的〕Actigraphを使用した腸蠕動運動評価の信頼性を明らかにすること.〔対象〕健常成人9名.〔方法〕3つのセンサーでノイズ音を同時に3回測定し,級内相関係数と施行間の相関係数を求めた.また腸音,心音,呼吸音を同時に測定し,心音や呼吸音が腸蠕動音測定に影響しないか検討した.〔結果〕級内相関係数ICC(2,1)=0.66と良好であり,試行間相関係数も良好な結果であった.腸蠕動音の測定では心音や呼吸音の影響を受けることなく測定が可能であった.〔結語〕Actigraphの信頼性が確認できた.また心音や呼吸音の影響を受けずに腸蠕動音を測定できることが確認できた.
  • 加嶋 憲作, 山﨑 裕司, 河邑 貢, 津田 泰路, 大菊 覚, 峯田 拓也, 馬渕 勝, 篠原 勉
    2015 年 30 巻 1 号 p. 131-133
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/18
    ジャーナル フリー
    〔目的〕膝伸展筋力が下肢の体重支持能力に及ぼす影響を明らかにすることである.〔対象〕65歳以上の高齢入院患者237名とした.〔方法〕等尺性膝伸展筋力を0.20 kgf/kgから0.10 kgf/kg毎に区分し,各筋力区分の平均下肢荷重率を算出した.〔結果〕筋力水準の低い区分ほど下肢荷重率は低値を示した.0.30 kgf/kg未満の各筋力区分と,その他の全ての筋力区分との間に下肢荷重率の有意差が認められた.しかし,0.40 kgf/kg以上の筋力区分の間に,下肢荷重率の有意な差は認められなかった.〔結語〕等尺性膝伸展筋力と下肢荷重率には密接な関連があり,一定の筋力水準を下回った場合,下肢での体重支持が障害される.
症例研究
紹介
  • 大橋 ゆかり, 篠崎 真枝
    2015 年 30 巻 1 号 p. 141-145
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/18
    ジャーナル フリー
    〔目的〕著者が講師を務めた臨床実習指導者研修会の講義内容についてアンケート調査を行い,「指導者と学生の協同作業型実習」について検討した.〔対象〕本研修会の受講者135名のうち回答の得られた133名のデータを対象にした.〔方法〕講義の中では,次の2点を強調した.1)指導者と学生が協同して臨床介入することにより,患者に触れて学ぶ体験を重視するべきである,2)レポート指導は大学教員が行うべきである.〔結果〕1)については概ね賛同が得られたが,このような方法を実践できるかという問いに対してはやや低い確信度に留まった.また,2)については賛同率が低かった.〔結論〕今後はより実践的な臨床実習教育手法に関する研修会が望まれること,また,レポート指導方法についても新たな提言が必要であることが示唆された.
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