抄録
〔目的〕急性期脳梗塞患者における離床方法の変更が,離床時期や初回離床の中止に及ぼす影響を検討することである.〔対象〕急性期脳梗塞患者241名で,離床コース変更前128名と変更後113名を調査した.〔方法〕2群間で年齢,性別,脳梗塞病型,入院から離床までの日数,入院時NIH Stroke Scale,初期評価時および退院時Barthel Index,初回離床中止の有無,在院日数,転帰先を比較検討した.〔結果〕離床コース変更後,入院から離床までの日数は中央値2.0日から1.0日へ有意に短縮したが,離床中止率には有意差は認められなかった.〔結語〕新離床コースを利用した早期離床は,急性期脳梗塞患者の離床開始時期を早めたが,初回離床の中止率は変化せず,比較的安全に実施された.