抄録
〔目的〕リクライニング角度の違いによる安静時と動的運動中動脈圧受容器反射の変化について検討した. 〔対象と方法〕対象を若年健常男性14名とした.リクライニング角度を20°,45°,70°の3段階に設定し,嫌気性代謝閾値までの動脈圧受容器反射の変化を測定した.〔結果〕安静時のリクライニング角度20°に対して70°で圧受容器反射感受性は有意な低下を示した.一方,warming-up,AT時の圧受容器反射感受性には,リクライニング角度間で変化がみられなかった.〔結語〕安静時の動脈圧受容器反射は,リクライニング角度上昇に依存した傾向がみられた.また,嫌気性代謝閾値までの動的運動程度の運動負荷では動脈圧受容器反射はリクライニング角度による影響を受けないことが示唆された.