2016 年 31 巻 4 号 p. 559-564
〔目的〕肺がん切除術における術前と術後のSF-36による健康関連QOL(HRQOL)の変化と6分間歩行試験(6MWT)との関係について検討した.〔対象と方法〕肺がん切除術を施行した31名を対象とした.肺がん切除術前と術後にSF-36と6MWTを実施した.SF-36の下位項目と6MWTの歩行距離,呼吸困難感を術前後で比較し,SF-36の下位項目と6MWTの相関関係を検討した.〔結果〕SF-36における術後の身体機能,日常役割機能(身体,精神),痛み,活力,社会生活機能は,術前よりも有意に低下していた.術前後の6MWTは,身体機能や全体的健康感との相関関係が認められた.〔結語〕肺がん切除術前後の6MWTと身体的QOLには関連があることが示唆された.