理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
肺がん,大腸がんに対する運動介入効果
—システマティックレビューによる検討—
高橋 大生大城 昌平山﨑 一史西田 裕介山内 克哉美津島 隆
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2017 年 32 巻 1 号 p. 21-27

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抄録

〔目的〕がん患者に対する運動介入は未だ確立されておらず,運動介入の報告も乳がんや前立腺がん患者を対象とした研究が多いのが現状である.そこで,本研究では,エビデンスの確立されていない肺がんと大腸がんに着目し,運動介入効果を検討した.〔対象と方法〕cancer(がん)とexercise(運動)を検索語とし,システマティックレビューを実施した.〔結果〕肺がんおよび大腸がん患者に対して最も用いられている介入方法は有酸素運動であり,主に6分間歩行距離や最高酸素摂取量等の運動耐容能が改善していた.QOL(Quality Of Life)を評価している論文は15編あり,そのうち3編が有意な改善を報告していた.〔結語〕運動介入により身体機能の向上は期待できるがQOLの改善は乏しいと考えられた.

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© 2017 by the Society of Physical Therapy Science
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