2017 年 32 巻 3 号 p. 355-358
〔目的〕脊髄損傷受傷レベルの相違による車椅子テニス競技動作への影響を明らかにすることを目的とした.〔対象と方法〕車椅子テニス競技を行う脊髄損傷者男性13名とした.グループの分類はHigh paraplegiaとLow paraplegiaの2グループに群分けをした.評価項目は競技動作に関係する握力,筋力(肩関節外転筋力,肘関節伸展筋力,体幹屈曲筋力),競技内で行われる車椅子駆動動作の直線駆動動作,8字駆動動作,ピボットターン,リーチ動作の前方リーチ,側方リーチの9項目とした.〔結果〕体幹屈曲筋力とリーチ動作はHigh paraplegiaに比べ,Low paraplegiaで高値を示した.〔結語〕脊髄損傷受傷レベルの相違により体幹屈曲筋力とリーチ動作に影響があったが,車椅子駆動動作への影響はないことが示唆された.