抄録
〔目的〕車椅子座位姿勢と椅子座位姿勢の2姿勢で健常成人の上肢機能を比較し,車椅子座位姿勢,椅子座位姿勢が上肢機能に及ぼす影響を検証すること.〔対象と方法〕健常成人35人を対象とした.対象者は車椅子ならびに椅子に着座し,車椅子座位姿勢と椅子座位姿勢の2姿勢で簡易上肢機能検査を実施した.対象者が感受した検査遂行の難度をVisual Analogue Scaleを用いて測定した.〔結果〕椅子座位姿勢では車椅子座位姿勢と比較して対象者の上肢機能が高く,また対象者に検査遂行の難度が低いと感受されることが示された.〔結語〕椅子座位姿勢は車椅子座位姿勢と比較して,上肢機能の発揮に適していることが示唆された.