抄録
〔目的〕中殿筋と大殿筋の股関節に対する作用を明確にするために各線維を分け,股関節伸展および外転保持時の筋活動を検討した.〔対象と方法〕対象は健常男性10名とし,平均年齢は24.4歳であった.超音波画像診断装置を用いて中殿筋,大殿筋の各筋線維およびこれらが重層する部位を描出した.そして股関節伸展課題および外転課題にて1 kgごとに4 kgまでの重量負荷を加え,各筋線維の筋電図を測定した.〔結果〕股関節伸展課題では中殿筋後部線維,重層部位および大殿筋上部線維の筋活動は4 kgの重量負荷にて増大した.また股関節外転課題では中殿筋の各線維の筋活動は4 kgの重量負荷にて増大し,重層部位の筋活動は3 kg以上の重量負荷にて増大した.〔結語〕中殿筋,大殿筋の各筋線維は各々の作用に対する筋活動の増大を認めたが,大殿筋上部線維は股関節外転課題に関与しなかった.