抄録
〔目的〕神経動力学検査を用いて下肢末梢神経系の可動性(MON)の量的評価を検討した.〔対象と方法〕成人男性10名を対象とし下肢伸展挙上(SLR)0°,45°,他動的頸椎屈曲(PNF),足関節底屈(PF)10°,背屈(DF)15°で脛骨神経の近位・遠位分岐部の神経動態を超音波画像診断装置で確認した.MONはPNFのPFとDFの最大SLRの差と神経動態,近位/遠位比を確認した.〔結果〕脛骨神経はSLR0°のDFは尾側へ,他は頭側へ移動し,SLR45°でのPNFのDFの近位と遠位で有意差を認めた.PNFのPFとDFの最大SLRの差と近位/遠位比の間に強い負の相関を認めた.〔結語〕神経は緊張の増加に対し滑走した後に伸張した.PNFのPFとDFの最大SLRの差はMONの量的評価となる可能性を示唆した.