抄録
〔目的〕車椅子安全操作管理能力の評価に関して,机上の認知機能検査との比較検討を行い,回復期脳卒中患者における歩行能力予後予測因子としての有用性を検証することを目的とした.〔対象と方法〕初発脳卒中患者16名を対象とした.入院時・入院後1ヵ月時にて,車椅子安全操作管理能力の評価は担当理学療法士,机上の認知機能検査は臨床心理士が評価した.それぞれの評価結果と退院時歩行自立度の関係をROC曲線からカットオフ値を算出し,感度,特異度,陽性(陰性)的中率,および陽性(陰性)尤度比を算出した.〔結果〕退院時歩行自立レベルの予測精度は,車椅子安全操作管理能力の評価が最も高い結果となった.〔結語〕車椅子安全操作管理能力の評価は,机上の認知機能検査との比較においても,退院時の歩行自立度を高い精度で予測できる可能性があることが示唆された.