2018 年 33 巻 2 号 p. 267-271
〔目的〕大学女子サッカー部で発生した外傷・障害(以下,傷害)の実態を調査し,その結果を傷害予防の一助とすることを目的とした.〔対象と方法〕対象はS大学女子サッカー部に2014年から2016年に所属した44名で,傷害発生率,受傷状況,傷害のタイプ,受傷部位,重症度,競技復帰までの日数を前向きに調査した.〔結果〕3シーズンの傷害発生件数138件でその内訳は外傷が80.4%、障害は19.6%で,傷害発生率は5.7/1000 phであった.下肢の傷害が全体の91.7%で,最も多い傷害は足関節捻挫であった.また試合中に起こった傷害の方が競技復帰までの日数は有意に長かった.〔結語〕傷害の予防対策として,練習前,試合前でそれぞれ予防プログラムを確立する必要性が示唆された.