2018 年 33 巻 3 号 p. 453-456
〔目的〕姿勢の安定に対する体性感覚の影響を明らかにするために,示指での軽い接触(light-touch)における支持面の安定性の違いが姿勢制御に与える影響を検討した.〔対象と方法〕健常成人を対象に30秒間のタンデム立位保持課題において,安定した支持面へのlight-touch,不安定な支持面へのlight-touch,支持なし3条件の重心動揺量を比較した.〔結果〕安定した支持面へのlight-touch条件は,不安定な支持面へのlight-touch条件,支持なしの条件よりも姿勢の安定性が高く,支持量の変動が有意に大きかった.〔結語〕不安定な支持面よりも安定した支持面への接触が姿勢の安定性に有効であり,この背景には体性感覚情報の入力の変動が関与していることが示唆された.