理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
33 巻 , 3 号
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原著
  • 小林 聖美, 岩井 浩一
    2018 年 33 巻 3 号 p. 373-378
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕反応時間測定における測定方法と測定回数の信頼性・妥当性を明らかにすること.〔対象と方法〕対象は健常成人3名.立位保持中に,反応時間測定をPowerLabとICレコーダーにて行った.また歩行中に反応時間測定をICレコーダーにて各30回行った.〔結果〕立位保持中のPowerLabとICレコーダーの測定値の一致度は高く,ICレコーダーを用いた測定値の妥当性は高かった.また,立位保持中,歩行中の測定とも,複数回の測定を1ブロックとして検討した結果,1~5回目のブロックの信頼性係数が低かった.〔結語〕立位保持中,歩行中ともに5回の練習後に5回の測定を行うことが妥当であると示唆された.
  • 佐野 徳雄, 昇 寛, 中山 彰博, 嶋田 裕司, 丸山 仁司
    2018 年 33 巻 3 号 p. 379-383
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕足趾踵荷重位での立位姿勢保持課題が,姿勢制御機能に与える影響を明らかにすることを目的とした.〔対象と方法〕対象は健常成人54名とし,介入群とコントロール群に27名ずつ振り分けた.運動課題は足趾踵荷重位での立位姿勢保持とし,週3回の介入を3週間継続して実施した.〔結果〕実効値面積,動揺中心偏位y座標,姿勢安定度評価指標,前方重心偏位時の動揺中心偏位y座標,非利き足の足趾把持筋力,Functional reach testの測定結果に介入前後で交互作用が認められた.〔結語〕足趾踵荷重位での立位姿勢保持は,前方への姿勢制御機能を向上させることが示唆された.
  • 神里 巌, 城野 靖朋, 粕渕 賢志
    2018 年 33 巻 3 号 p. 385-388
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕近年,固有感覚の重要性が指摘されている.固有感覚機能には末梢に存在する固有感覚受容器の働きが重要な役割を持つが,固有感覚受容器からの求心性の情報が大脳皮質に伝わることが重要である.本研究では脳の運動錯覚を惹起することのできる振動刺激に着目し,振動刺激が膝関節固有感覚に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.〔対象および方法〕健常26膝の,①安静,②振動刺激,③等尺性筋収縮前後の膝関節位置覚を測定した.関節位置覚は膝関節屈曲90°から角速度0.25°/secで屈曲し,105°での測定誤差角度を測定した.振動刺激部位は大腿四頭筋遠位複合腱部とし,周波数は90 Hzとした.各介入前後および条件間での比較を行った.〔結果〕振動刺激介入後および筋収縮介入後は測定誤差角度が小さくなり(p<0.05),固有感覚の向上がみられた.〔結語〕局所への振動刺激による運動錯覚は膝関節固有感覚を向上させることが示された.
  • 島崎 功一, 吉村 日沙
    2018 年 33 巻 3 号 p. 389-393
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕急性期病床から地域包括ケア病棟へ転棟した骨折患者で,転棟前のFunctional Independence Measure(以下,FIM)が在宅復帰の可否を予測し得るか検討した.〔対象〕下肢,脊椎骨折にて当院の急性期病棟から地域包括ケア病棟へ転棟,退院した患者79名(自宅群67名,転院群12名).〔方法〕検討因子は診療録より後方視的に調査し,多重ロジスティック回帰分析により,自宅退院の関連因子を抽出,カットオフ値を算出した.〔結果〕自宅退院可否と関連を認めたのは,年齢,急性期期間,転棟前mFIMであった.自宅退院可否を判別する転棟前mFIMのカットオフ値は58.5点であった.〔結語〕地域包括ケア病棟において,転棟前mFIMは自宅退院を予測するには有効な指標となることが示唆された.
  • 森田 美穂, 浦辺 幸夫, 竹内 拓哉, 前田 慶明
    2018 年 33 巻 3 号 p. 395-400
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕バランスボードを随意的に傾斜させた場合に,難易度と運動方向の違いが下腿筋活動に与える影響を明らかにすることを目的とした.〔対象と方法〕健常成人16名を対象とした.難易度の異なる2種類のバランスボード上で片脚立位をとり,静止立位,前後(底背屈)および左右(内外転)方向にバランスボードを傾斜させ,前脛骨筋と長腓骨筋の筋活動を測定した.〔結果〕難易度が高いバランスボードは低いものよりも筋活動量が有意に増大した.背屈,内転方向よりも底屈,外転方向への傾斜で前脛骨筋に対する長腓骨筋の活動割合が有意に増大した.〔結語〕バランスボードを底屈,外転方向へ傾斜させると,過度な足関節内反に拮抗する筋活動パターンを発生できる可能性が示唆された.
  • 森田 由佳, 江原 史雄, 森田 義満, 堀川 悦夫
    2018 年 33 巻 3 号 p. 401-404
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕動物介在療法の効果を心理尺度,生理学的手法を用いて示し,その効果の検証を行うことである.〔対象と方法〕対象は,佐賀大学学生30名(男性15名,女性15名),年齢:20.6 ± 0.7歳(平均 ± 標準偏差)とした.方法は,対象者に介在動物であるトカラヤギ2頭と触れ合ってもらい,その前後で気分プロフィール尺度であるPOMSと,唾液アミラーゼ活性を測定した.〔結果〕POMS,唾液アミラーゼ活性ともに,介入前と比較して介入後が有意に低下した.〔結語〕動物介在療法による効果を心理尺度,生理学的手法を用いて示すことができた.今後,障がいなどを持つ高齢者のリハビリテーションに応用し,その際の治療効果判定の一助となると考えられる.
  • 大八木 博貴, 木下 和昭, 石田 一成, 柴沼 均
    2018 年 33 巻 3 号 p. 405-409
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕人工膝関節全置換術(以下,TKA)後1年から2年の患者満足度の変化に与える膝関節機能および身体能力を検討した.〔対象と方法〕対象はTKA後2年が経過した57膝とした.評価項目はknee society score 2011(以下,KSS)による満足度,膝関節伸展筋力,膝関節屈曲可動域,膝関節伸展可動域,Timed Up And Go Test,5回椅子立ち上がりテストとした.各評価項目の変化率を算出し,KSSの満足度がTKA後2年で低下した群と向上した群と変化なし群に群分けした.そして膝関節機能や身体能力の変化率に関して群間比較した.〔結果〕膝関節伸展筋力の変化率において,満足度向上群が有意に高値を示した.〔結語〕TKA後1年から2年の満足度の変化は膝関節伸展筋力の変化と関連することが示唆された.
  • 新井 智之, 藤田 博暁, 丸谷 康平, 森田 泰裕, 旭 竜馬, 石橋 英明
    2018 年 33 巻 3 号 p. 411-414
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究では地域在住高齢者において,活動量計によって測定された消費エネルギー(kcal)の妥当性を検討することを目的とした.〔対象と方法〕対象は地域在住中高年者33人(平均年齢は69.4 ± 5.1歳)であった.測定は3段階の運動負荷による平地歩行を行った.歩行中に腰部に取り付けた活動量計により,消費エネルギーの測定を行った.また酸素摂取量の測定は,携帯型呼気ガス分析器を用い,breath-by-breath法により計測した.解析は酸素摂取量と消費エネルギーの相関関係を分析した.〔結果〕酸素摂取量と消費エネルギーとの相関係数は,0.629と有意な中等度の相関関係を示した.〔結語〕活動量計における消費エネルギー量の測定は,身体活動量測定としての,基準関連妥当性を有していることが示唆された.
  • 野口 直人, 李 範爽, 中澤 公恵, 近藤 健, 山崎 恆夫
    2018 年 33 巻 3 号 p. 415-419
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究は椎弓形成術における肩甲骨内転筋力,肩関節回旋筋力,疼痛の経時的変化と関連性を検討した.〔対象と方法〕椎弓形成術を施行した頸椎疾患男性患者18名を対象に術前,術後1週,術後2週の3時点で肩甲骨内転筋力,肩関節回旋筋力,肩甲骨周囲の疼痛を計測した.〔結果〕術前と術後1週の間で回旋筋力は有意に減少したが,内転筋力は有意な変化を示さなかった.疼痛の変化率は肩関節回旋筋力,特に外旋筋力の変化率と有意な負の相関関係を示した.〔結語〕外旋筋力の評価が椎弓形成術前後の肩甲骨周囲の筋力や疼痛を把握する手段として有用であり,外旋筋力に着目した筋力増強訓練が術後の疼痛の減少,早期離床につながる可能性が示された.
  • 山田 和政, 大竹 卓実, 木村 大介
    2018 年 33 巻 3 号 p. 421-424
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕身体バランス機能および認知機能が要介護度に与える影響について検討した.〔対象と方法〕通所リハビリテーションサービス利用者107名を要介護度で3群に分類した.身体バランス機能と認知機能を評価し,重回帰分析と群間比較を行った.〔結果〕要介護度は身体バランス機能と認知機能とも影響していた.身体バランス機能は要支援群と要介護軽度群,要支援群と要介護中等度群で,認知機能は要支援群と要介護中等度群,軽度要介護群と要介護中等度群で有意差を認めた.〔結語〕身体バランス機能と認知機能はともに要介護度に影響を与えており,介護の悪化は身体バランス機能が認知機能に先んじて低下することが示唆された.
  • 長尾 卓, 大垣 昌之, 三浦 靖史
    2018 年 33 巻 3 号 p. 425-429
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕大腿骨近位部骨折術後患者の栄養状態とADLとの関連を明らかにすることとした.〔対象と方法〕大腿骨近位部骨折患者41例.〔方法〕入院時に簡易栄養状態評価表(MNA-SF)を用いて栄養状態を評価し,良好群,低栄養のおそれあり(At Risk)群,低栄養群に分類した.入院時の骨格筋指数,筋厚と入院時,退院時のFIMと在院日数を評価し,群間を比較検討した.〔結果〕良好群は1名のみで,At Risk群が25名,低栄養群が15名であった.低栄養群は,At Risk群より入院時の筋厚が有意に薄く,FIMが低かった.また,退院時のFIMが有意に低く,在院日数は長かった.〔結語〕低栄養大腿骨近位部骨折患者に対して運動療法と栄養管理を同時に行うことが必要である.
  • 近藤 智, 前田 眞治, 小暮 英輔, 今井 舞, 山本 潤
    2018 年 33 巻 3 号 p. 431-437
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕手指模倣の所要時間から肢節運動失行(Limb-kinetic apraxia:LKA)の手指模倣の特徴を分析すること.〔対象と方法〕健常者8例,LKA患者4例を対象に,慣習的・非慣習的課題に分けた手指模倣課題を行わせ,模倣時間を測定し,各々単一と連続課題を施行した.〔結果〕健常者と比較し,4例で両課題の単一・連続ともに手指模倣時間の遅延を認めた.〔結語〕慣習的課題の実行過程は「運動記憶」と,非慣習的課題は主に「運動プログラム」との関連が考えられ,4例ともに「運動記憶の障害」が示唆された.一方,「運動プログラムの障害」は本研究ではその有無に関して言及できなかった.今回作成した手指模倣課題を実施することで,LKAの手指模倣の特徴を分析できる可能性があると思われた.
  • 黒部 正孝, 文野 住文, 福本 悠樹, 鈴木 俊明
    2018 年 33 巻 3 号 p. 439-442
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕脳卒中片麻痺患者に応用する前段階として,健常者を対象に非練習側上肢での運動イメージが脊髄神経機能の興奮性に与える影響を検討した.〔対象と方法〕対象者は健常者14名とした.30%MVCでの左母指対立運動練習後,解剖学的基本肢位で先の運動をイメージさせ,左手よりF波を記録した(練習側条件).またランダムに設定した別日に,左母指対立運動練習後,右手で運動イメージを行い右手からF波を測定した(非練習側条件).〔結果〕練習側条件と非練習側条件ともに安静試行と比較して運動イメージ試行において,F波出現頻度が有意に増大した.しかし,練習側条件と非練習側条件での比較ではF波出現頻度に有意差を認めなかった.〔結語〕非練習側での運動イメージは,練習側での運動イメージと同等の効果が得られると考えられる.
  • 山本 愛, 宮﨑 純弥
    2018 年 33 巻 3 号 p. 443-446
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的は超音波を用いた多裂筋筋輝度計測の検者内信頼性について検討し,さらに多裂筋筋輝度の左右差を検討した.〔対象と方法〕対象は健常成人12名で慢性的な腰痛のない者とした.多裂筋筋輝度計測には超音波画像診断装置,Bモードを使用した.検者内信頼性を検討するため同日と日間測定で2回測定し,級内相関係数(ICC)を用いた.多裂筋筋輝度の左右差の検討は,対応のあるt検定を用いた.〔結果〕同日において,ICCは右が0.981,左が0.981であった.日間測定のICCは,右が0.898,左が0.775であった.多裂筋筋輝度の左右差は同日,日間測定ともに認められなかった.〔結語〕多裂筋筋輝度計測は検者内信頼性の高い測定が可能であった.健常者では多裂筋筋輝度に左右差を生じない可能性が示唆された.
  • 則竹 賢人, 山田 和政
    2018 年 33 巻 3 号 p. 447-451
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕回復期リハビリテーション病棟入院中の歩行自立レベルの変化がフレイルサイクル形成因子に及ぼす影響について検討した.〔対象と方法〕初発脳卒中者21名を対象に,入院時と退院時の歩行自立レベルの変化の違いから3群に分類し,フレイルサイクル形成因子と関連する項目を測定した.〔結果〕入院中に歩行が自立した群では,栄養状態と筋肉量を除く因子で有意な改善を認めた.退院時まで歩行が自立に至らなかった群と入院時より歩行が自立していた群では,すべての因子で改善を認めなかった.〔結語〕各群で改善すべきフレイルサイクル形成因子は異なり,歩行自立レベルの変化にあわせ理学療法プログラムを立案し,実施する必要がある.
  • 渡邉 観世子, 谷 浩明
    2018 年 33 巻 3 号 p. 453-456
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕姿勢の安定に対する体性感覚の影響を明らかにするために,示指での軽い接触(light-touch)における支持面の安定性の違いが姿勢制御に与える影響を検討した.〔対象と方法〕健常成人を対象に30秒間のタンデム立位保持課題において,安定した支持面へのlight-touch,不安定な支持面へのlight-touch,支持なし3条件の重心動揺量を比較した.〔結果〕安定した支持面へのlight-touch条件は,不安定な支持面へのlight-touch条件,支持なしの条件よりも姿勢の安定性が高く,支持量の変動が有意に大きかった.〔結語〕不安定な支持面よりも安定した支持面への接触が姿勢の安定性に有効であり,この背景には体性感覚情報の入力の変動が関与していることが示唆された.
  • 遠藤 佳章, 鈴木 暁, 糸数 昌史, 小野田 公, 久保 晃
    2018 年 33 巻 3 号 p. 457-460
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いたVirtual Reality(VR)映像の臨床応用のための基礎研究として,HMDを用いたVR映像とモニター映像が立位重心動揺に与える影響の違いを検証した.〔対象と方法〕対象は若年健常人22名.重心動揺計にてVR,モニター,静止立位の3条件でSPL,WoE,HoEを計測.VR,モニターは共通の歩行映像(360°カメラを使用し,歩行速度80 m/minで歩いて撮影)を提示.〔結果〕SPL,WoEは静止立位,モニター,VRの順で増大,HoEは静止立位よりVR・モニターで増大,VRとモニターの間では差がなかった.〔結語〕VR,モニターともに立位重心動揺に影響を及ぼしうること,VRはモニターと比べ立位重心動揺に影響を及ぼしやすいことが示唆された.
  • 山本 洋之
    2018 年 33 巻 3 号 p. 461-466
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕スラックラインは綱渡り様のベルト上で歩行等の運動を行うもので,バランス能力向上効果が注目されているが,その要因の検証は不十分である.今回,スラックラインによる運動が体平衡機能に与える影響について検討した.〔対象と方法〕対象は健常な男子9名とし,スラックライン上での歩行等の練習を行う前と練習後に重心動揺を測定し,総軌跡長,外周面積,矩形面積,実効値面積と単位面積軌跡長を比較検討した.〔結果〕面積に関する値は減少していったが,総軌跡長は練習開始後では減少したが中間以降では変化が少なかった.単位面積軌跡長は増加の傾向を示した.〔結語〕単位軌跡長は固有受容器との関係があると考えられている指標であり,スラックラインでの運動は体平衡機能に影響があることが示唆された.
  • 古後 晴基, 満丸 望, 岸川 由紀
    2018 年 33 巻 3 号 p. 467-472
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕高校男子サッカー選手のOsgood–Schlatter disease(以下,OSD)発症後を調査した.〔対象と方法〕201名を対象とし,質問紙調査と身体的要因6項目を測定した.OSD既往群と非既往群の2群間で身体的要因を比較し,OSD既往群は学年間で比較した.〔結果〕OSD既往者は41名で発症率20.4%,オッズ比1.16だった.OSD既往群は非既往群と比較して,大腿四頭筋筋力(軸脚)は有意な低値を認めた.OSD 既往者の1年生は2年生と比較して,大腿直筋筋厚(軸脚)は有意な低値を認め,その他は有意差が認められなかった.〔結語〕OSDは軸脚に好発する傾向が示され,OSD既往者は大腿四頭筋筋力(軸脚)が低く,1年生は2年生と比較して大腿直筋筋厚(軸脚)が薄いことが示された.
  • 齋藤 正美, 大塚 吉則
    2018 年 33 巻 3 号 p. 473-479
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕総合診療医のリハ教育研修に関するセラピストの意識調査から総合診療医との関係性およびリハ教育研修の枠組みを検討した.〔対象と方法〕対象者は,家庭医・総合医後期研修プログラム実施病院のセラピストへのアンケート調査65名,フォーカスグループインタビュー5名とした.インタビューの分析方法は,SCATを用いた質的研究とした.〔結果〕総合診療医のリハ教育研修は,「カンファレンス」や「事例検討会」が有意に選択された.「総合診療医に求めるリハの臨床能力」,「セラピストから総合診療医へのコミュニケーションと教育研修への関わり」の2つの概念を抽出した.〔結語〕総合診療医のリハ教育研修にセラピストが関わることの必要性が示唆された.
  • 木田 知宏, 大沼 俊博, 鈴木 俊明
    2018 年 33 巻 3 号 p. 481-485
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕座位にて一側下肢を挙上位に保持する高さの違いが脊椎,骨盤肢位の変化と座圧位置に及ぼす影響について検討した.〔対象と方法〕健常男性9名とした.座位,一側下肢10 cm,20 cm,30 cm挙上位保持における座圧位置および脊椎,骨盤肢位の解析を行った.〔結果〕骨盤側方傾斜角度は挙上10 cmでは明らかな変化を認めず,挙上20 cm,30 cmにおいて非挙上側下制方向に増加した.体幹側屈角度は挙上20 cm,30 cmでは体幹挙上側側屈を認めた.下肢挙上の高さの増加に伴い両側の骨盤後傾角度は増加し,挙上側では非挙上側より骨盤後傾角度が増加した.また左右方向の座圧位置は挙上10 cmで座位と比較して挙上側方向へ変位し,20 cm,30 cmでは非挙上側方向へ変位した.前後方向の座圧位置は挙上の高さの増加に伴い,座位と比較して後方へ変位した.〔結語〕一側下肢挙上位で保持する高さの違いに合わせて,異なる姿勢保持の特徴を考慮する必要があると示唆される.
  • 佐藤 優衣, 横井 裕一郎, 夏井 亜美, 井上 孝仁
    2018 年 33 巻 3 号 p. 487-491
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕脳性まひ者の他動運動による膝関節位置覚の特徴を検討した.〔対象〕脳性まひ者8名(平均年齢40.5 ± 13.9歳)と若年健常者34名(平均年齢21.0 ± 0.9歳)を対象とした.〔方法〕他動的模倣法を用いて両膝関節屈曲角度の差を測定した.角度の算出は両側から撮影した動画より画像処理ソフトを用いた.〔結果〕脳性まひ者の誤差は軽症側8.0 ± 5.1°,重症側9.4 ± 4.4°,健常者は利き足6.0 ± 3.1°,非利き足8.5 ± 0.8°であった.また,軽症側と重症側,利き足と非利き足に有意な差が認められた.〔結語〕本研究の対象である脳性まひ者は膝関節位置覚を若年健常者と有意差なく知覚している可能性が示唆され,さらに重症側と軽症側で知覚に違いがあることが明らかとなった.
  • 上條 史子, 山本 澄子
    2018 年 33 巻 3 号 p. 493-499
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕片麻痺者における座位前傾動作の体幹の前傾角度と歩行での体幹動態との関係を示すことである.〔対象と方法〕対象は高齢者20名,片麻痺者14名とした.三次元動作解析装置を使用し,座位前傾動作と歩行動作時の体幹前傾角度を測定した.貼付マーカから骨盤セグメント,中部体幹ライン,上部体幹セグメントを作成し,3部位の前傾角度を両群間で比較し,歩行との関係をみた.〔結果〕静止座位では両群間に差が認めなかったが,座位前傾動作では骨盤と中部体幹の前傾角度が片麻痺者で有意に小さかった.また,片麻痺者では座位前傾動作時と歩行動作時の骨盤に対する中部体幹の前傾角度(相対角度)間で,正の相関を認めた.〔結語〕片麻痺者における座位前傾動作での相対角度は,歩行中での同部位の動態に影響を与える可能性が示唆された.
  • 本間 友貴, 平山 哲郎, 茂原 亜由美, 石田 行知, 柿崎 藤泰, 泉﨑 雅彦
    2018 年 33 巻 3 号 p. 501-506
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究では,姿勢保持,呼吸作用を有する腰方形筋の断面積左右差と前額面上の姿勢,胸郭運動,肺機能との関係性を検討することを目的とした.〔対象と方法〕対象は健常成人男性20名とした.安静時および強制呼吸時における腰方形筋断面積,胸郭側方偏位量,胸郭拡張率,呼吸筋力,肺機能を測定した.〔結果〕安静時および強制呼気時の腰方形筋断面積は左側に比べて右側が有意に大きいという左右差が認められた.腰方形筋断面積の左右対称性と胸郭側方偏位量,胸郭拡張率,呼吸筋力との間には有意な正の相関,残気を示す肺機能指標値との間に有意な負の相関が認められた.〔結語〕腰方形筋断面積の左右対称性は,前額面上の姿勢や呼吸機能と関係する可能性が示唆された.
  • 藤本 修平, 小向 佳奈子, 光武 誠吾, 杉田 翔, 小林 資英
    2018 年 33 巻 3 号 p. 507-512
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕リハビリ分野のランダム化比較試験(RCT)論文において,用いられている報告の質の評価指標の実態を把握し,論文の質を評価することとした.〔対象と方法〕対象論文の検索は,MEDLINEなどを用い,リハビリ分野以外の介入は除外した.本文中に報告の質のガイドライン(GL)を使用し,そのGLを遵守しているかについて評価を行った.〔結果〕GLを使用していたものは50/374件(13.3%)であった.GLの遵守割合は,割振りの方法で11/50件(22%),重要な害・意図しない効果の記載で13/50件(26%)であった.〔結語〕リハビリ分野のRCT論文において,著者は報告すべき項目を満たす論文を投稿する必要性が示唆された.
  • 平山 哲郎, 本間 友貴, 茂原 亜由美, 柿崎 藤泰, 泉﨑 雅彦
    2018 年 33 巻 3 号 p. 513-518
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕水平面上の胸郭形状を3次元画像解析装置で測定し,胸郭形状の左右非対称性の程度が胸郭可動性,呼吸機能に与える影響について検討した.〔対象と方法〕対象は健常成人男性20名とした.安静呼気位における胸郭水平断面図を作成し,断面積比を左右で比較検討した.また,胸郭断面積左右比と胸郭可動性,呼吸機能の関係について検討した.〔結果〕胸郭断面積比の左右比較では上部胸郭で左側が,下部胸郭で右側が増大する左右非対称性がみられた.また,胸郭断面積左右比,胸郭拡張率,呼吸機能には相関関係が認められた.〔結語〕安静呼気位の胸郭形状には上部胸郭で左側が,下部胸郭で右側が増大する左右非対称性が存在していた.この胸郭形状の左右非対称性の程度は,呼吸運動における胸郭可動性や呼吸機能に反映したものと考える.
  • 平沢 良和, 松木 良介, 惠飛須 俊彦, 黒瀬 健
    2018 年 33 巻 3 号 p. 519-522
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕女性2型糖尿病患者の上下肢および体幹筋量とインスリン抵抗性との関連を検討した.〔対象と方法〕対象は女性2型糖尿病患者100名とした.上下肢および体幹筋量を身長の2乗または体重で除し,Homeostasis model assessment – insulin resistance(以下,HOMA-IR)との関連を検討した.〔結果〕HOMA-IRと下肢と体幹筋量の体重補正は有意な負の相関を認めた.〔結語〕女性2型糖尿病患者の下肢と体幹筋量の体重補正がインスリン抵抗性を反映する可能性が示唆された.
  • 笠原 敏史, 小松 夏来, 齊藤 展士, 遠藤 沙紀
    2018 年 33 巻 3 号 p. 523-527
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的は,高齢者の立位での急速な運動停止を調べ,運動制御への加齢の影響を調べること.〔対象と方法〕健康若年者29名と健常高齢者26名.立位での急速な運動停止課題は足圧中心を用いた追跡運動で実施した.床反力計から足圧中心速度が計算され,反応時間,総運動時間,推進時間,制動時間が計測された.〔結果〕高齢群の反応時間と総運動時間は若年群よりも有意に延長した.高齢群の前方推進時間は若年群よりも有意に短縮した.高齢群の前方と後方の制動時間は若年群よりも有意に延長した.〔結語〕高齢者の運動時間の延長は反応時間の延長だけでなく運動を停止するために要する制動時間の延長もみられ,加齢による立位での運動停止能力の低下が明らかとなった.
  • 肥田 光正, 出口 祐子, 宮口 和也, 中園 雅子, 平田 直希, 中川 理恵, 北山 淳, 浜岡 克伺
    2018 年 33 巻 3 号 p. 529-533
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的は,大腿骨頸部骨折を受傷し,人工骨頭置換術を施行した患者を対象に歩行動作能力の回復を予測する因子として,急性期術後痛の強度と下肢筋力を調査することである.〔対象と方法〕対象者は,外傷による大腿骨頸部骨折後に人工骨頭置換術を施行した48名のうち除外基準の該当者を除く31名とした.術後の急性痛は,Verbal Rating Scaleを用いて術後7日目に患側の最大荷重時の疼痛を測定した.下肢筋力は,術後7日目の等尺性膝伸展筋力体重比を測定した.〔結果〕早期歩行自立群と歩行自立群は,疼痛は中等度の荷重時痛で,両下肢等尺性膝関節伸展筋力は筋力体重比16.8%で一定の判別精度を示した.〔結語〕歩行動作自立に必要な日数は,急性期術後痛強度および膝伸展筋力に一定の影響を受けることが示唆された.
  • 山内 智之, 来間 弘展, 雨宮 耕平
    2018 年 33 巻 3 号 p. 535-539
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕超音波Shear Wave Elastography(SWE)を用い大腿四頭筋のセッティング運動における大腿四頭筋の筋硬度を測定し,大腿四頭筋各筋の筋活動の違いを明らかにすることとした.〔対象と方法〕対象は健常男性14名の右下肢とし,測定肢位は股関節55°屈曲位の長座位姿勢とした.運動課題は膝関節0°伸展位で膝窩を支点とした膝関節伸展運動を実施し,筋硬度測定は,大腿四頭筋各筋に対して超音波診断装置のSWEモードを用い無作為にて測定した.筋弛緩と収縮時での筋硬度の変化率を検討した.〔結果〕中間広筋は他の3筋に対して有意に筋硬度が高値であり,その他の筋間には有意差を認めなかった.〔結語〕膝関節伸展位では大腿四頭筋のうち中間広筋の活動が重要であることが示唆された.
  • 木伏 和貴, 鈴木 麻美, 長島 七海, 高嶋 弥生, 岡部 泰樹, 根本 裕太, 畠山 太良, 村上 信人, 豊田 淳, 屋嘉比 章紘, ...
    2018 年 33 巻 3 号 p. 541-544
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕ストレッチポール上における運動が側腹筋厚に及ぼす影響を明らかにする.〔対象と方法〕運動器疾患のない健常若年者44名を対象とし,超音波画像診断装置を用いて,腹横筋・内腹斜筋・外腹斜筋の側腹筋厚を計測した.計測は,背臥位およびストレッチポール上で行い,安静呼気,最大呼気,ドローイン,ブレイシングの4つの運動課題とした.〔結果〕側腹筋厚は,内腹斜筋・腹横筋において,ポール条件と体幹運動で交互作用がみられた.ストレッチポール上での運動では筋厚増加がみられ,ドローイングとブレイシングが最も筋厚を厚くする課題であった. 〔結語〕ストレッチポール上で体幹運動課題は側腹筋厚を増加させる効果があった.
症例報告
  • 落合 香, 田村 由馬, 江原 恭介, 清水 理葉, 松下 恭, 安 隆則
    2018 年 33 巻 3 号 p. 545-548
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/06
    ジャーナル フリー
    〔目的〕Fontaine分類IV度の患者対する外科的治療後の理学療法介入における,ベルト電極式骨格筋電気刺激 (belt electrode skeletal muscle stimulation:B-SES)の有効性を検討した.〔対象と方法〕対象は当センターで心臓リハビリテーションを実施したFontaine分類IV度のPAD患者6名.B-SES導入前の3例をB-SES非実施群,B-SES導入後の3例をB-SES実施群とし,入院時および退院時のBarthel index,在院日数,足関節上腕血圧比(ankle‐brachial‐index:ABI),転院先を比較した.〔結果〕B-SES実施3例は全て自宅退院となり,入院期間もB-SES非実施症例の約1/3であった.〔結語〕外科的治療後のPAD患者に対する運動療法にB-SESを併用することでADLの早期改善と,救肢のための集学的治療の一つとして有用であることが示唆された.
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