2018 年 33 巻 3 号 p. 481-485
〔目的〕座位にて一側下肢を挙上位に保持する高さの違いが脊椎,骨盤肢位の変化と座圧位置に及ぼす影響について検討した.〔対象と方法〕健常男性9名とした.座位,一側下肢10 cm,20 cm,30 cm挙上位保持における座圧位置および脊椎,骨盤肢位の解析を行った.〔結果〕骨盤側方傾斜角度は挙上10 cmでは明らかな変化を認めず,挙上20 cm,30 cmにおいて非挙上側下制方向に増加した.体幹側屈角度は挙上20 cm,30 cmでは体幹挙上側側屈を認めた.下肢挙上の高さの増加に伴い両側の骨盤後傾角度は増加し,挙上側では非挙上側より骨盤後傾角度が増加した.また左右方向の座圧位置は挙上10 cmで座位と比較して挙上側方向へ変位し,20 cm,30 cmでは非挙上側方向へ変位した.前後方向の座圧位置は挙上の高さの増加に伴い,座位と比較して後方へ変位した.〔結語〕一側下肢挙上位で保持する高さの違いに合わせて,異なる姿勢保持の特徴を考慮する必要があると示唆される.