理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
座位での一側下肢挙上位保持における下肢挙上の高さの違いが身体運動と平均座圧中心位置に及ぼす影響
木田 知宏大沼 俊博鈴木 俊明
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2018 年 33 巻 3 号 p. 481-485

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抄録

〔目的〕座位にて一側下肢を挙上位に保持する高さの違いが脊椎,骨盤肢位の変化と座圧位置に及ぼす影響について検討した.〔対象と方法〕健常男性9名とした.座位,一側下肢10 cm,20 cm,30 cm挙上位保持における座圧位置および脊椎,骨盤肢位の解析を行った.〔結果〕骨盤側方傾斜角度は挙上10 cmでは明らかな変化を認めず,挙上20 cm,30 cmにおいて非挙上側下制方向に増加した.体幹側屈角度は挙上20 cm,30 cmでは体幹挙上側側屈を認めた.下肢挙上の高さの増加に伴い両側の骨盤後傾角度は増加し,挙上側では非挙上側より骨盤後傾角度が増加した.また左右方向の座圧位置は挙上10 cmで座位と比較して挙上側方向へ変位し,20 cm,30 cmでは非挙上側方向へ変位した.前後方向の座圧位置は挙上の高さの増加に伴い,座位と比較して後方へ変位した.〔結語〕一側下肢挙上位で保持する高さの違いに合わせて,異なる姿勢保持の特徴を考慮する必要があると示唆される.

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© 2018 by the Society of Physical Therapy Science
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