2018 年 33 巻 3 号 p. 501-506
〔目的〕本研究では,姿勢保持,呼吸作用を有する腰方形筋の断面積左右差と前額面上の姿勢,胸郭運動,肺機能との関係性を検討することを目的とした.〔対象と方法〕対象は健常成人男性20名とした.安静時および強制呼吸時における腰方形筋断面積,胸郭側方偏位量,胸郭拡張率,呼吸筋力,肺機能を測定した.〔結果〕安静時および強制呼気時の腰方形筋断面積は左側に比べて右側が有意に大きいという左右差が認められた.腰方形筋断面積の左右対称性と胸郭側方偏位量,胸郭拡張率,呼吸筋力との間には有意な正の相関,残気を示す肺機能指標値との間に有意な負の相関が認められた.〔結語〕腰方形筋断面積の左右対称性は,前額面上の姿勢や呼吸機能と関係する可能性が示唆された.