2018 年 33 巻 4 号 p. 701-706
〔目的〕消化器がん患者の退院後の倦怠感の強弱で手術前・手術後の倦怠感や運動耐容能に変化や差があるかを調査した.〔対象と方法〕対象は消化器がん患者51例である.方法はCancer Fatigue Scale(CFS),6分間歩行距離(six minute walk distance:6MWD)を手術前・手術後・退院後で測定し,退院後CFS総合計19点以上(増強群)と19点未満(減弱群)に分け,後方視的に2群間で比較した.〔結果〕CFS総合計で交互作用と主効果,6MWDで2群間に主効果を認めた.減弱群はCFS総合計が徐々に低下するのに対し,増強群は手術前から常に高値だった.〔結語〕増強群は手術前から倦怠感が強く運動耐容能が低下している可能性が示唆された.