2019 年 34 巻 2 号 p. 253-257
〔目的〕近年リハビリテーション機器として,ロボットが注目されている.短下肢装具の継ぎ手にモーターを付けたような形状の「足首アシスト装置CoCoroe AAD」(AAD)もその一つであるが,研究報告は少なく,基礎データの収集のため,健常者における歩行時の支持性の筋活動を,表面筋電図を用いて調べた.〔対象と方法〕健常男性7名の裸足歩行と左側にAADを装着歩行した時の左右脊柱起立筋,左右大殿筋,左右中殿筋,左腹直筋を測定し,歩行周期に分け,比較検討した.〔結果〕AAD歩行の足底接地期(アンクルロッカー期)において,左大殿筋に有意な増加がみられた.〔結語〕AAD歩行のミッドスタンスにかかるトルクが大殿筋の活動を高めたと推察される.AAD歩行により,支持性向上の可能性が示唆された.