2019 年 34 巻 5 号 p. 607-613
〔目的〕本研究のために開発した変速型トレッドミルを用いて,歩行速度が連続的に変化する歩行課題が歩行安定性に与える影響を,カオス解析の手法の一つである最大リアプノフ指数を指標として検証した.〔対象と方法〕対象者は健常成人22名であった.歩行速度を変化させた変速歩行課題群(変速群n=11)と,定速で歩行した定速歩行課題群(定速群n=11)の体幹の3軸加速度データを計測し,得られた時系列データから最大リアプノフ指数を算出した.〔結果〕鉛直方向の最大リアプノフ指数は,変速課題での歩行時において定速課題での歩行時よりも有意に大きい値を示した.〔結語〕30分間の変速歩行において,歩行の不安定性が維持されることが示され,歩行速度の多様性を獲得することを目的とした歩行練習へ応用できる可能性が示唆された.