2020 年 35 巻 6 号 p. 905-909
〔目的〕両十字靭帯温存型の人工膝関節全置換術(TKA)後患者では,歩行の荷重応答期に正常な膝関節伸展筋群での衝撃吸収機能を発揮できているのかを検証すること.〔対象と方法〕対象は,術後1年経過したTKA群8名,同年代高齢者の健常群12名とした.三次元動作解析にて歩行時の矢状面における下肢関節運動学・運動力学データを計測した.〔結果〕歩行の荷重応答期における床反力鉛直成分,膝関節伸展モーメント,遠心性膝関節パワーにおいてTKA群は健常群よりも有意に低値であった.歩行時の膝関節屈曲角度では,TKA群は健常群よりも低い傾向を示した.〔結語〕両十字靭帯を温存してもTKA後患者では,歩行時に膝関節伸展筋群での衝撃吸収機能を十分に発揮できていなかった.