2026 年 41 巻 1 号 p. 6-11
〔目的〕人工膝関節全置換術を施行した高齢女性の術後3ヵ月から6ヵ月の膝伸展筋力向上群と膝伸展筋力低下群における移動能力の経時的変化の検討を行うことである.〔対象と方法〕人工膝関節全置換術を施行した高齢女性について膝伸展筋力向上群,膝伸展筋力低下群に群分けをし,日本整形外科学会膝疾患治療判定基準(JOAスコア)の各群間内推移比較を行った.〔結果〕JOAスコアの結果は,両群ともに術後3ヵ月のJOAスコアを術後6ヵ月まで維持していた.さらに総得点,疼痛・階段昇降能力は,膝伸展筋力向上群が膝伸展筋力低下群より早期に回復を認めた.疼痛・歩行能力は,膝伸展筋力向上群のみ改善がみられた.〔結語〕本研究より,膝伸展筋力向上群は移動能力が早期に向上していたことから,術後早期に移動能力の改善を目指した個々の患者に合わせた理学療法の重要性が考えられた.