抄録
本研究の目的は、脳卒中による片麻痩患者男性1例を対象として、サイペックスマシーンを用い、角速度180°/SECの条件による8週間の下肢筋持久性トレーニング、それに引き続くDetraining及びRetrainingを行なわせ、その効果について検討することである。1)8週間の持久性トレーニングによって、麻痺側および非麻痺側の筋持久性が向上した。とくにその効果は、トレーニング開始初期の4週時に比較的大きくみられ傾向であった。2)8週間のDetrainingによって、非麻痺側の筋力は維持されていたが、麻痺側の筋力低下が著しかった。3)Detraining中の歩行量は、きわめて高い水準で行われ、非麻痙側依存の歩行の実施が下肢筋力維持になんらか関連しているものと推察した。4)8週間のRetrainingによって、一旦低下した麻痺側および非麻痺側の筋持久性に向上がみられた。また、麻痺側は50試行の筋出力発揮におけるピークトhルクの実測値が、トレーニング開始時のそれに比べ、ばらつきが少なくなる変化がみられた。以上の結果から、本研究の片麻痺はきわめて高速度の条件によるトレーニングを行い、下肢の筋持久性を向上することが明かになった。また、Retrainingの結果、神経系のコントロールが改善される可能性が示唆された。