理学療法のための運動生理
Print ISSN : 0912-7100
健常人における膝折れ状態の検討
吉村 茂和関根 正幸岡本 浩美林 泰史
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1993 年 8 巻 2 号 p. 85-90

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抄録

健常成人8名に片脚立位で膝折れ状態を生じさせ、できるだけ無意識的に制動をかけ、動作を制止させた。その時の膝関節の経時的な角度変化と膝伸展筋力で体重を支持するという観点から膝折れ状態を分析した。膝折れ開始時点から膝折れ終了までの時間が、422 ±4.2 msec、終了時点の膝角度が58±5.4°という非常に短時間で、ほぼ一定の経過時間と膝角度を示していた。また膝折れ終了角度は、膝伸展筋力が強く、筋活動が最も活発な膝角度と一致していた。
膝折れ中の制動は、膝折れ開始から150msec,膝角度が30°以上で認められ、その時の膝角速度はほぼ280DPSであった。膝伸展筋の等速性筋力は、膝折れで制動が開始される角速度と膝角度で相対的に高いトルク値を示し、膝折れに制動をかける上で好都合であることが示唆された。

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