抄録
転倒によって骨折した高齢者(78名)を対象に骨折の特徴、転倒時の状況を調査し、転倒を誘発する因子について検討した。
1)対象者の男女比は1:2.8と女性が多く、骨折部位別では、大腿骨頸部が52.6%と最も多かった。
2)循環器、神経、運動器疾患などの合併症を有した者は85.0%であった。
3)転倒原因は段差があった、他に気を取られた、滑ったなどの周囲環境に対する注意力低下によるものが多かった。
以上のことから、高齢者の転倒発生率を低下させるには、日常の活動性を高めることと、環境設備を行うことが重要と考えられた。