理学療法のための運動生理
Print ISSN : 0912-7100
腹臥位における骨盤と腰部捻転の形態計測による一考察
寺本 喜好臼井 永男
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1993 年 8 巻 2 号 p. 97-102

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抄録

直立・二足歩行をとるヒトの姿勢は、身体の中心部に位置する骨盤と腰部の設定の仕方によって、前後、左右、上下に重心変動が生じ不良姿勢を招く一要因になることが考えられる。
本稿は、過去2.5年間の通院患者を対象に、腹臥位の骨盤、腰部の縦横傾斜角を計測して、不良姿勢のうち、その捻転傾斜の発生頻度と要因に関して検討した。その結果、骨盤、腰部捻転の発生頻度は高く、共に右捻転が多く、捻転には有意な関係がみられた。また加齢によって骨盤、腰部は共に水平位が減少し、左捻転の増加する傾向がみられた。形態的には、仙骨の捻転傾斜による仙腸関節での関節変位が一つの要因として示唆された。

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