理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
後方外乱に対するパーキンソニズムの立位姿勢反応
―Postural Stress Testにおける検討―
佐藤 哲哉阪井 康友福原 奈津子上田 眞太郎
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 12 巻 1 号 p. 23-28

詳細
抄録

パーキンソニズムの姿勢反応障害は日常生活(ADL)の障害をきたし,転倒の誘因ともなっている。そこで我々はパーキンソニズムの立位姿勢反応障害の推定とその特徴の検討を目的に,後方外乱によるPostural Stress Testを施行した。後方外乱刺激には,1.0%体重量による60cmの落下エネルギーを用い,刺激直後の前後重心動揺を経時的に測定を行った。加えて,20秒間の静止立位の重心動揺測定も行った。対象はパーキンソニズム10例および健常者10例で,結果はパーキンソニズムのADL障害の重度化に伴って,後方外乱刺激から平衡反応までの潜時時間は遅延し,この時の後方重心移動距離も延長した。パーキンソニズムの姿勢反応障害の特徴は,静止時のS.D-Areaでなく,後方外乱によるPostural Stress Testに対しての反応を示唆し,臨床評価にその有用性を明らかにした。

著者関連情報
© 理学療法科学学会
前の記事 次の記事
feedback
Top