抄録
本研究の目的は,筋の質的評価として注目されている表面筋電図周波数解析(以下,周波数解析)が測定法の違い(電極貼付部位・収縮様式の違い)によりどの程度影響を受けるのか明確にすることである。対象は健常男性13名(23.5±1.3歳)とした。電極貼付部位は,中殿筋筋腹部・腱部そして大腿筋膜張筋筋腹部の3カ所とした。収縮様式は最大等尺性収縮(以下,ISOME)・最大求心性収縮(以下,CON)・最大遠:心性収縮(以下,ECC)の3パターンとした。その結果,筋力はECC>ISOME・CONの順で有意であった。貼付部位による周波数特性は見られなかった。また,測定手技としてCON・ECCの動的測定では,個体差(測定上のノイズ)の影響が大きく,ISOMEによる静的測定が有効な手段である。