理学療法科学
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ギラン―バレ症候群の筋力回復期における筋疲労性の変化
間瀬 教史上村 洋充谷崎 忍小室 透居村 茂幸藤原 誠
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1998 年 13 巻 1 号 p. 33-38

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抄録
我々は,ギランーバレ症候群患者に見られる高い筋疲労性が,筋力の回復にともないどのように変化するのかに興味を持った。今回対象としたのは,本症候群患者6例で,筋力回復中の二つの異なる時期に,1分間最大等尺性収縮中の筋力および表面筋電図上の変化を観察した。発症平均2か月後では,正常人に比べギランーバレ症候群患者は,筋収縮中の筋力,IEMGが有意に低値を示し,特に発症50日以内の患者で著しかった。しかし,発症平均3か月後では,筋収縮中の筋力およびIEMGの変動パターンは,正常人との問に差は見られなかった。これらの結果から,ギランーバレ症候群初期に見られる高い筋疲労性は,筋力の回復とともに改善し,発症3か月という比較的短期間に,正常人と同程度にまで改善することがわかった。
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