理学療法科学
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リラクセーション訓練(自律訓練法)が上肢循環に与える影響
庄本 康治中本 隆幸西本 東彦幸田 利敬
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1998 年 13 巻 1 号 p. 45-49

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抄録
自律訓練法(ATと略す)は,末梢皮膚温の上昇,末梢血流量の増大,血圧の低下を起こすと考えられている。末梢循環の改善が起こるなら,術後や反射性交感神経性ジストロフィーの患者で,損傷部の循環改善と治癒促進を起こす可能性があるが理学療法領域での研究はない。そこで,ATが末梢循環に与える影響を確認し,臨床研究の価値について考察することを本研究の目的とした。健常成人23名にATを実施し,合計3回,AT前後で表面皮膚温度,血流速度,血圧,脈拍を測定した。最終測定時に表面皮膚温度が有意に上昇し,血流速度は上昇,血圧は下降傾向を示した。これらはATの専門家による結果と類似していた。今後は上記疾患の患者を対象に臨床研究を実施する必要があると考察した。
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