森山堤防の開削が本庄水域の水質に与えた影響を調べるため,2004年から2014年にかけて月1回ずつの調査結果を用いて統計解析を行った。森山堤防開削前後の5年間ずつの塩分のMann-WhitneyのU検定から,森山堤防の開削によって本庄水域下層の塩分濃度が上昇したことが明らかとなった。DOについては開削後の夏季に本庄工区南西部の測点の下層で貧酸素化が進行した。その影響を受け全窒素・全リンが有意に上昇していた。この原因は森山堤防の開削によって測点下層において貧酸素化が進行し,堆積物からの溶出が増加したためと考えられた。