陸水学雑誌
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原著
御嶽山南麓の無機酸性湧水における糸状緑藻Klebsormidium(Klebsormidiophyceae)群落の繁茂
野崎 健太郎, 松本 嘉孝, 田代 喬
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2026 年 87 巻 1 号 p. 23-41

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抄録

 御嶽山南麓の火山性無機酸性河川である濁沢河道内の,pH 2.9~3.6の湧水で繁茂する糸状緑藻Klebsormidium属の形態,および生息環境を調べた。このKlebsormidium属は1000細胞以上が連結する分岐しない長い糸状の群体を形成し,容易に断片化しなかった。栄養細胞は,幅が5.8~8.2 μm,長さが10.7~14.4 μm,長さと幅の比率が1.4~2.3であった。細胞の連結部にH型断片は確認できなかった。遊走子が抜け出し空になった細胞は,開口部が不明瞭であった。これらの形態からタイプ種であるK. flaccidumと同定した。K. flaccidumが繁茂する湧水は光合成の材料となる溶存無機態炭素を4.1~9.6 mgC L-1含んでおり,近隣のpH 3~5の酸性河川における0.2~0.7 mgC L-1に比べ顕著に高い濃度を示した。K. flaccidumが繁茂する湧水は,堰堤の設置によって形成された濁沢の伏流水であり,K. flaccidumは,火山活動,呼吸や地質から供給される溶存無機態炭素を用いて,活発な光合成を行い増殖していたと考えられた。

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