抄録
木崎湖低酸素条件下におけるN2O蓄積量をこれまでに得られたデータについて比較したところ,0.17-26.5μgatomN・1-1にわたるきわめて大きな変動が見出された。さらに,1983年,1988年にはいずれも0.6μg atomN・1-1以下,他の年では2.4μgatomN・1-1以上と,年によって著しい違いを示した。N2O蓄積量の変動はピークの低酸素層中の出現深度と関連しており,小さなピークほどその上部に,大きなピークほどその下部に出現する一連の関係が認められた。N2O,NO3-,O2濃度の各年の分布特性から,このようなN2O蓄積量の変動は脱窒過程におけるN2O生成・消費間のバランスの変化によってもたらされたものであり,深水層への易分解性有機物の供給状態がその重要な要因であると考えられた。