抄録
隔離実験水界を用い,植物プランクトン群集の遷移におよぼす栄養塩と動物プランクトンの影響を調査した。実験開始時の栄養塩添加により,クロロフィルaの濃度と植物プランクトン量は顕著な増加を示したが,実験後半には急速な減少がみられた。栄養塩の経時的減少環境下で,植物プランクトンの増殖パターンには三つのタイプが認められた。時間差をおいて添加した枝角Simocephalus vetulus個体群の成長は,植物プランクトンの後半における密度減少を促進した。種特異的な植物の栄養塩の利用効率の差と,栄養塩の減少が三つのタイプの植物プランクトンの経時的変化を支配する主要因子と判断された。