抄録
検診胃癌の臨床病理学的特徴を明らかにする目的で,最近5年間に当科で手術を施行した検診胃癌30例と外来胃癌52例を比較検討した.手術時の検診胃癌の平均年齢は検診胃癌57.5歳,外来胃癌65.4歳であり,検診胃癌は外来胃癌に比べ,低年齢者に多くみられ,性別では検診胃癌および外来胃癌とも男性に多くみられた.検診胃癌の80%は早期癌であり, 90%は絶対治癒切除例で,非治癒切除例がないのに対し,外来胃癌の77%は進行癌で,治癒切除例は67%であり, 25%が絶対非治癒切除例であった.予後決定因子として検診胃癌は外来胃癌に比べ,病変が小さくかつ壁深達度が浅い特徴がみられ,リンパ節転移陽性率も14%と外来胃癌の48%に比べ明らかに低率であり, 5年生存率は検診胃癌では100%と外来胃癌の48%に比べ予後良好であった.したがってその手間とコストを考慮しても胃癌検診はきわめて有用であり,今後も積極的に取り組む必要がある.