日本臨床外科医学会雑誌
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急性回腸末端炎の臨床的検討
碓氷 章彦蜂須賀 喜多男山口 晃弘近藤 哲堀 明洋広瀬 省吾深田 伸二官地 正彦渡辺 英世石橋 裕之加藤 純爾神田 裕
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1985 年 46 巻 7 号 p. 902-909

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抄録
急性虫垂炎の診断で手術を行ない,開腹時に急性回腸末端炎と確認された77例の臨床的検討を行った.年齢は6~52歳,平均20.8歳で,学齢児から若年成人に好発し,性比は1:0.67で男性優位であった.病悩期間は平均3.3日で,臨床症状では急性虫垂炎に比して,発熱(75.3%),下痢または軟便(51.4%)の出現が多く,嘔吐(12.2%)の出現が少なかった.なお,検索した59例中23例(39.0%)にYersiniaが証明された.その内訳は糞便または虫垂内容からの分離培養法による(54例に施行)Yersinia enterocolitica13例, Yersinia pseudotuberculosis 1例と,血清検査でYersinia enterocolitica血清抗体価陽性例の15例であった(59例に施行).検出したYersiniaの各種抗生物質に対する最小発育阻止濃度(MIC)を測定すると, Tetracycline系のDoxycycline, Aminoglucoside系のGentamicin, Cephalosporin系第3世代のCeftizoxineに強い感受性がみられ,急性回腸末端炎にはYersinia感染症を想定し,これら抗生物質を使用することが肝要と考えられた.
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