日本臨床外科医学会雑誌
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石灰化真性膵嚢胞の1例
倉立 真志余喜多 史郎古味 信彦宮本 英之藤野 良三山下 英世
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1988 年 49 巻 2 号 p. 357-364

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抄録
石灰化真性膵嚢胞はまれな疾患である.今回本症の1例を経験したので報告するとともに,石灰化膵嚢胞の本邦報告35例を集計した.症例は60歳,男性.主訴は腹痛,上腹部腫瘤.腹部外傷の既往はない.腹部所見では上腹部に10cm×6cmの卵型で弾性硬,表面はほぼ平滑な腫瘤を触知した.膵機能検査でPFDテストは正常, 75g-OGTTで糖尿病(パラボリック型)を示した.腹部エックス線写真で上腹部に石灰化を伴った7.5cm×7cmの円形の腫瘤陰影を認め,腹部単純CTスキャン像,腹部超音波写真で壁に均一な石灰化を有する嚢胞を認めた.手術は嚢胞摘出術を施行した.病理組織学的診断は真性膵嚢胞であった.
石灰化膵嚢胞の本邦例は35例であり,自験例のように真性のものは5例にすぎない.石灰化膵嚢胞は真性,仮性を問わず,嚢胞摘出術もしくは嚢胞を含めた膵部分切除術が施行されており,この術式による予後は良好であることから,適切な術式と考えられる.
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