日本臨床外科医学会雑誌
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特発性血小板減少性紫斑病を合併したバセドウ病の2手術例
臼井 由行佐々木 澄治松原 淳永広 格
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1992 年 53 巻 11 号 p. 2645-2649

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抄録
最近の11年間に手術を行ったバセドウ病90例のうち2例に特発性血小板減少性紫斑病(ITP)を認めた. ITP合併バセドウ病は診断面,治療面で難渋することが多いと言われている.われわれの2例はITPが先行しており, ITPの治療に苦労したが,甲状腺亜全摘術による甲状腺機能の正常化と共に血小板数の増加が認められた.
甲状腺ホルモンと白血球数,血小板数との関係を調べるために,バセドウ病と甲状腺腫瘍症例における白血球数,血小板数を比較検討したが,どちらも有意差は認めなかった.
しかし, ITP合併バセドウ病では,甲状腺機能を正常化し,その結果として血小板数を増加させるのに,甲状腺亜全摘術が有効な手段であると考える.
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