日本臨床外科医学会雑誌
Online ISSN : 2189-2075
Print ISSN : 0386-9776
ISSN-L : 0386-9776
早期胃癌術後8年目に発症した孤立性脾転移を伴った直腸の異時性重複癌の1例
日馬 幹弘木村 幸三郎小柳 泰久小野 充一伊藤 伸一吉松 昭彦土田 明彦長江 逸郎堀向 文憲斉藤 利彦
著者情報
キーワード: 直腸癌, 脾臓転移
ジャーナル フリー

1992 年 53 巻 2 号 p. 401-404

詳細
抄録
脾臓にのみ転移の認められた直腸癌の1例を報告した.患者は70歳の男性で, 8年前当科において早期胃癌の診断にて胃亜全摘及びリンパ節郭清(R2)を施行されている.胃術後の経過観察中,腫瘍マーカーの上昇を認め,注腸造影を施行し,上部直腸(Rs)に狭窄像を認めた.また,腹部CT像により脾臓実質の転移が疑われた.内視鏡による生検にて直腸癌が証明されたため,低位前方切除術,脾臓摘出術を施行し,摘出物の病理組織学的検査にて脾臓転移が証明された.術後は腫瘍マーカーも正常化し,術後1年半を経過し再発は認めていない.脾臓転移において手術時に他臓器への転移を認めない孤立性転移の報告は比較的少ない.また,脾臓転移ではCEAの変動が病状と相関することが多いことが示唆された.切除可能であった症例の予後は良好であり,積極的に脾臓摘出を行うべきであると考える.
著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top