日本臨床外科医学会雑誌
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胃癌治癒切除後の転移性大腸癌の2手術例
力武 浩納富 昌徳平木 幹久田中 寿明白水 和雄大森 康弘荒川 正博
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1992 年 53 巻 2 号 p. 405-410

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抄録
転移性大腸癌の2手術例を経験したので報告する.症例1: 75歳男性,主訴は下血.既往歴として3年5カ月前, Borrmann 2型胃癌にて幽門側胃切除術(R2)を施行.印環細胞癌を含む低分化腺癌で, P0, H0, n1, pmと絶対治癒切除であった.横行結腸にBorrmann 3型,下行結腸と直腸(Rb)にはBorrmann 1型の腫瘤を認め,術前に多発性大腸癌との鑑別が困難であった.症例2: 57歳女性.主訴は右側腹部腫瘤.既往歴として3年9カ月前, 5型胃癌にて胃全摘術(R2)を施行.印環細胞癌を含む低分化腺癌で, P0, H0, n1, ssγと絶対治癒切除であった.注腸造影にて上行結腸に腸管の長軸に対して横走する平行な粘膜ひだの集合像を認め,大腸内視鏡では著明な管腔の狭少化,大小不同の粗大な隆起と潰瘍を認めた.生検で粘膜固有層内に印環細胞癌を含む低分化腺癌を認め,画像診断と併せ術前診断が可能であった.大腸への転移形式は,リンパ行性転移が最も考えられた.
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