抄録
平成17年4月1日に薬事法が大改正されるに至り,製造承認から販売承認へと大きく舵を切った.この改正により,医薬品製造販売業者は自ら医薬品製造所を持つ義務がなくなった.すなわち,販売しようとする医薬品の製造を全委託することが可能となった.この改正により,ジェネリック医薬品を製造する製造販売業者を中心に,製造コストの抑制を目的とした製造委託が増大している状況にある.
一方,この製造委託に対し,医薬品製造販売業者には販売した医薬品に対する品質保証責任を果たすために,「医薬品,医薬部外品,化粧品及び再生医療等製品の品質管理の基準に関する省令(GQP省令)」が定められた.このGQP省令では,販売する医薬品の全ての製造工程に関与する製造所および試験機関の管理,監督をすることを義務付けている.
本稿では,大改正に合わせて設立された医薬品医療機器総合機構(PMDA)が所管する製造所の調査事例を紹介するとともに,今後の国際基準とされるGMP管理のあり方を示す.