日本臨床外科医学会雑誌
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心大血管手術後メチシリン・セフェム耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染の検討
宮本 伸二葉玉 哲生高橋 英巳森 義顕岡 敬二重光 修木村 龍範迫 秀則内田 雄三調 亟治野口 隆之伊東 盛夫
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1992 年 53 巻 5 号 p. 1026-1032

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抄録
1989年4月より1990年3月までの間に当科で経験した心大血管術後のMRSA感染をまとめ検討した.この間,心大血管手術が110例行われ術後11例にMRSAが検出され,そのうち7例が有症候感染であった.移植人工物に感染が及んだ4例はいずれも死亡した.有症候のMRSA感染をおこした感染群とそれ以外の非感染群(無症候感染を含む)に分け,術後,感染前の心係数(CI),血中尿素窒素(BUN),血中クレアチニン(CRNN),血中総ビリルビン(T. Bil),気管内挿管期間を比較したところ,感染群で有意にCIが低く, BUN, CRNNが高く, T. Bilが高く,挿管期間が長かった.この結果より術後心,腎,肝,肺機能の低下した症例にMRSA感染が発症していると思える.したがって,移植人工物を使用する心大血管術後,全身状態不良な症例では特にMRSAに注意しなければならず,感染予防,早期発見に努める必要がある.
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