日本臨床外科医学会雑誌
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高齢癌患者における術後MRSA感染と細胞性免疫機能についての検討
加藤 正久橋本 肇野呂 俊夫高橋 忠雄平島 得路山城 守也稲松 孝思
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1992 年 53 巻 5 号 p. 1033-1038

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抄録
高齢者悪性腫瘍患者を対象に,術前術後の細胞性免疫機能と術後のMRSA感染との関連性についてprospective studyを行った.
対象は胃癌12例,大腸癌9例で平均76.7歳.これら21例につき術前,術後第一病日,第14病日に,末梢血Tリンパ球サブセット(CD4, CD8, CD4+2H4-, CD4+2H4+)及びNK細胞活性を測定した. 21例中, 4例がMRSA感染を合併し,すべて進行癌の例であった.感染合併群と非合併群の細胞性免疫機能を比較し以下の結果を得た. (1) CD4, CD8, CD4/CD8,は有意な差を認めなかった. (2) MRSA感染合併群では術前のヘルパーT細胞(CD4+2H4-)が有意に低値であった. (3)サブレッサー・インデュサーT細胞(CD4+2H4+)は進行癌群で有意に高値を示した. (4) NK細胞活性はMRSA感染合併例で有意に回復が遅延した.以上より高齢者術後のMRSA感染の発症には宿主の免疫機能が関与していることが示唆された.
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© 日本臨床外科学会
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