日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
梅干しの種子による食餌性腸閉塞の1例
五十嵐 陽介田口 恵理子黒河内 喬範鈴木 英之松田 実
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キーワード: 回腸潰瘍, 狭窄, 食材, 種子
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2019 年 39 巻 4 号 p. 727-731

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抄録

症例は手術歴のない75歳男性。腹部膨満を主訴に当院来院し,腸閉塞の診断で入院した。入院時の腹部CTでは,回腸に楕円形の異物を認め,閉塞起点となっていた。保存的に症状改善したため,第7病日に退院した。しかし,退院5ヵ月後に再度腸閉塞症状が再燃,CTでは前回入院時と同様の異物を回腸に認め腸閉塞起点となっていた。保存的加療で改善がないため第5病日に腹腔鏡下小腸部分切除術を施行した。摘出腸管内には梅干しの種子を認め,同部位に炎症性肥厚と潰瘍を伴っていた。術後経過良好につき,術後7日目に退院し,現在も腸閉塞症状を認めず経過観察をしている。種子は少なくとも5ヵ月間回腸に留まっていたと考えられ,放置していた場合,腸穿孔をきたしていた可能性も示唆された。排出を確認できない種子による腸閉塞は積極的に手術を考慮すべきであると考えられた。文献的考察を加えてこれを報告する。

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© 2019, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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