日本臨床外科医学会雑誌
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食道癌切除後再建胃管癌の1治験例
侵襲軽減の1術式について
中村 文彦稲葉 行男工藤 邦夫渡部 修一千葉 昌和
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キーワード: 再建胃管癌, 食道癌
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1992 年 53 巻 5 号 p. 1154-1159

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抄録
食道癌切除後の再建胃管癌に対して本来の栄養血管である右胃動脈,右胃大網動脈を切離し胃管部分切除を施行,良好な結果が得られたので報告する.症例は75歳の男性で, 5年前に下部食道癌にて食道亜全摘・胸壁前頸部食道胃管吻合術を施行した.今回前胸部皮下に腫瘤を触知し,内視鏡下生検で再建胃管癌と診断された.高齢であることから侵襲を最小限にとどめることを目的に手術を行った.まずBulldog鉗子を用いて両動脈を根部付近で約20分間血行遮断した.胃管に血行障害の生じないことを確認後#4d領域を郭清,病変部より口側2cm,肛門側3cmで胃管を切離し,切除を最小限にとどめた.再建は空腸を用いRoux-en Y式に吻合した. 3年6カ月経過した現在も再発の兆候は認めていない.高齢者や全身状態の不良な患者に対しては,治療効果の期待できる術式であると思われた.
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