日本臨床外科医学会雑誌
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胃癌術後9年目に発症した男子早期乳癌の1例
岸本 弘之澄川 学狩野 卓夫日野原 徹小松 健治山代 昇
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キーワード: 男子乳癌, 胃癌, 重複癌
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1992 年 53 巻 7 号 p. 1580-1584

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抄録
胃癌術後9年目に発症した男子早期乳癌症例を経験した.患者は68歳の男性で, 1982年,前庭部胃癌の診断で胃切除術を受けた.組織学的には中分化腺癌で深達度ss, INFβ, ly0, v0, n (-)のstage Iの進行度であった. 1991年3月,右乳腺CE区の1cm大の圧痛を有する腫瘤に気付き受診した.超音波検査と穿刺吸引細胞診で乳癌と診断し,大胸筋温存乳房切除術を施行した.組織学的には硬癌で,女性化乳房を合併していた. t1, n0, m0のstage Iであり,ホルモンレセプターはER, PgRとも陽性であった.男子乳癌は1%程度の頻度とまれで,女性よりも発症年齢が高い.一般に予後不良とされていたが,最近は女性乳癌と同程度と報告されている.胃癌との合併は本邦で10例目であったが,両癌腫ともstage Iであり,予後は良好と考えられた.早期発見のためには男子乳癌に対する啓蒙がさらに必要である.
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