日本臨床外科医学会雑誌
Online ISSN : 2189-2075
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下痢を認めない消化器外科術後便中methicillin-cephem耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)検出症例の検討
岩瀬 和裕竹中 博昭矢倉 明彦別所 俊哉西村 好晴吉留 克英石坂 透高垣 元秀大西 隆仁大畑 俊裕井上 匡美大嶋 仙哉
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1992 年 53 巻 8 号 p. 1823-1827

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抄録
消化器外科術後methicillin-cephem耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)腸炎においては,白色水様下痢ならびに発熱が特徴的な症状であるとされている.しかし,下痢を伴わない便中MRSA検出症例5例を経験したので報告した. 3例は下痢を認めないのみならず,発熱や腹部愁訴など一切の症状を呈することなく,無治療にて便中のMRSAは陰性化した.他の2例は,下痢は認めないものの消化管MRSA感染症に起因すると考えられる発熱を認め,塩酸バンコマイシンの経口投与により速やかに軽快した. MRSAの院内感染が危惧される病棟での消化器外科手術後においては,下痢を呈さない消化管MRSA感染症も存在し得る可能性が示唆された.
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