日本臨床外科医学会雑誌
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心筋梗塞発作後早期の一般外科手術6例の検討
市川 英幸林 四郎
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キーワード: 心筋梗塞, 左室駆出率
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1992 年 53 巻 8 号 p. 1828-1835

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抄録
心筋梗塞の既往をもつ患者の手術を行う場合,梗塞後6カ月以後まで手術の実施を延期するという方針が認められている.しかし,手術をなるべく早く行いたい消化管の癌などに対して,もう少し早期時期に実施して差支えないのではないかと考えてきた.そこで,心筋梗塞発作後比較的早い時期(最長発作後7カ月,平均3.7カ月)に胃切除,胆摘,腸切除などの手術を行わざるを得なかった60歳以上の6例について, retrospectiveに検討を加えた.全例手術に耐え,術後心房細動,心室性期外収縮などの循環器合併症が発生したが,再梗塞例は1例も無かった.従って,心筋梗塞2カ月前後であっても,発作後の回復過程が順調であり,循環動態も安定し,梗塞後のリハビリテーションも予定通り実施されているような状態で,左室駆出率も50~60%前後以上であるような症例に対しては,きめ細かい周手術期の管理を前提にして,手術の実施を是認しても良い現状とみなした.
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