日本臨床外科医学会雑誌
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胸部食道癌切除後に遊離移植空腸を用いて消化管を再建した3例の移植空腸の機能
八木 雅夫佐原 博之竹田 利弥桝谷 博孝橋本 哲夫桐山 正人清水 康一泉 良平宮崎 逸夫
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1992 年 53 巻 8 号 p. 1858-1863

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抄録
胸部食道癌切除術後に遊離空腸移植術を用いて消化管を再建した3例を経験し,術後合併症はみられなかった.術後経過期間は9カ月から4年6カ月で,術直後の透視では移植空腸の拡張は良好であった.術後3カ月目には食物嚥下直後に移植空腸の逆蠕動や収縮が認められたが,術後6カ月以内に消失し,それ以後の食物の通過状況は良好であった.内圧検査では順蠕動性に移行する陽圧波が認められた.術後4カ月目と2年6カ月目の症例の消化管筋電図では,空腹期に間歇的スパイクが見られ,嚥下時には多重スパイクが見られた.内視鏡的に生検した粘膜には通常の粘液が観察された.
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