抄録
消化管動静脈奇形に起因する消化管出血の報告はその診断技術の向上により増加しつつある.その治療に関しては外科的切除が一般的に行われているが,大量出血時の緊急手術はしばしば困難となることが多い.われわれは46歳男性の大腸AVMよりの大量下血の1例を経験し,腹部血管造影でその診断を得,全身状態不良であった為,ひきつづき超選択的にカテーテルを留置し, vasopressin持続動注により止血せしめた.約2年経過した現在再出血を認めない.本療法の大腸動静脈奇形に対する永久的な効果は長期のfollow upおよび症例の積み重ねをまたなければならないが,少なくとも本症例のように手術に危険がある様な重症例においてはfirst choiceとなり得るであろう.