日本臨床外科医学会雑誌
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孤立性肝結核腫の1例
岸本 秀雄大橋 大造入谷 勇夫小川 弘俊中村 従之大谷 享織田 誠都築 尚生
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1992 年 53 巻 8 号 p. 1941-1946

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抄録
孤立性肝結核腫は非常に稀で,本邦報告例は33例に過ぎない.著者らの経験した1例を本邦報告例の検討と併せて報告する.
患者は36歳女性で,発熱を主訴として入院精査した.腹部CT,腹部超音波検査,総肝動脈造影より, S4とS5にまたがる腫瘤が指摘された.肝腫瘤の診断のもとに腫瘤を含めた肝部分切除,胆嚢摘除を施行した.病理組織学的には類上皮細胞,ラングハンス巨細胞を中心とする乾酪化を伴った肉芽腫で,孤立性肝結核腫と診断した.文献的には孤立性肝結核腫の画像診断上の特徴には一定の傾向を認めなかったが,本例は急性期としての画像診断上の特徴が得られたものと考えられた.
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© 日本臨床外科学会
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