日本臨床外科学会雑誌
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魚骨が核となった総胆管結石症に十二指腸乳頭部癌を併存した1例
渡辺 拓自鋤柄 稔篠塚 望山崎 達雄小山 勇尾本 良三
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1999 年 60 巻 1 号 p. 110-113

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抄録

十二指腸乳頭部癌に併存した総胆管結石症の結石内より魚骨を認めた稀な1例を経験したので報告する.症例は74歳女性. 1カ月前より発熱を来して来院.腹部超音波にて30×10mm大の総胆管結石を認め,さらに内視鏡にて乳頭部に拇指頭大の隆起性腫瘤を確認し腺癌の診断を得た.以上より総胆管結石症および乳頭部癌の診断で膵頭十二指腸切除術を施行した.摘出した総胆管結石を砕くと中心に30×5mmの骨様の核を認め,精査分析したところ魚骨と断定された.総胆管内異物として魚骨の報告は少ない.また,これを核とした総胆管結石に,癌が併存した報告は他になかった.

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